放送と通信を連動させたデジタルサイネージにより商店街を活性化

“Touch!ビジョン”サービス

放送の面白さと通信のインタラクティブ性を連動

 昨今、商店街を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。ビジネスの中心地である大手町と家電量販店がひしめく秋葉原に挟まれる東京・神田駅周辺の商店街も例外ではない。神田駅はJR各線と東京メトロ銀座線のターミナル駅であり、乗降客数は少なくないが、その反面“素通り”されることも多く、新たな施策による活性化が喫緊の課題となっていた。
 このような状況の下、2008年4月に設立されたストリートメディア(株)が、神田駅周辺商店街の活性化を目的に2008年12月から展開を開始したデジタルサイネージ(DS)活用サービスが“Touch!ビジョン”サービスである。なお、この取り組みは、経済産業省の「平成20年度中小商業活力向上事業」の一環として行われ、費用の2分の1が同省により補助された。
  “Touch!ビジョン”サービスのコンセプトは、放送の面白さと通信のインタラクティブ性の連動により新たな価値を生み出すこと。DSによって単にコンテンツを提供するだけでなく、Felica内蔵のいわゆる“おサイフケータイ”を通じてクーポンを発行したり、アンケートを受け付けたりするなど、生活者のアクションにつなげられる点が大きな特徴となっている。
 具体的には、商店街の各店店頭に22インチの液晶ディスプレーとFelicaリーダー・ライターを組み込んだ端末を設置。商店街各店の紹介コンテンツのほか、サッカーのセリエA関連やケータイ小説のハーレクイン・ロマンス関連などの一般情報コンテンツを放映して通行する人の注目を集め、“おサイフケータイ”を通じて端末設置店の割引クーポンなどを発行することにより、各店の集客アップにつなげている。端末数は当初16台でスタートしたが、2009年10月現在では約40台に増加している状況だ。
  “Touch!ビジョン”サービスでは、端末ごとにコンテンツを蓄積し、それぞれのスケジュールで放映するかたちとなっているが、その端末へのデータ配信においてTV局による地上デジタル放送の利用が可能であることも特徴となっている。これは、TV局から発信される地上デジタル放送波により番組コンテンツと端末ごとの放映時間スケジュールの制御などに必要な情報、さらにはコンテンツと連動したクーポンなどの“おサイフケータイ”対応用の情報のデータ送信を行い、それを“Touch!ビジョン”端末で受信するというもの。実際に、2008年12月に実施したトライアルでは、TOKYO MXのデジタル第2チャンネルで深夜帯に15分間の神田地区の地域情報番組「なんだ+かんだ」を放映し、同時に各“Touch!ビジョン”端末に制御情報および“おサイフケータイ”対応用情報を配信することに成功させ、特許も申請している。

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月刊『アイ・エム・プレス』2010年6月号の記事