フレッシュマン紹介のお礼に進呈 ビジネスおたすけCD-ROM

第一生命保険相互会社

ビジネスをサポートする CD-ROM

 第一生命保険相互会社では、同社営業職員が新社会人からの契約獲得を目指す「フレッシュマン・プロモート」におけるアプローチ・ツールとして、今年はじめてオリジナルの CD-ROM を制作した。

 社会人としてのスタートは人生の大きな節目。生命保険加入の絶好のタイミングだ。全国に約 5 万人を数える営業職員をサポートするために、同社ではさまざまなプロモーションや営業ツールを企画・開発しているが、中でも「フレッシュマン・プロモート」は年間最大のキャンペーン。実施期間は毎年 12 月から翌 7 月まで、8 カ月間にわたる。プロモーション効果を高めるために、同社では毎回、このキャンペーンに用いる景品の選定に知恵を絞っているが、「若い人が興味を持ってくれるものを」(市場開発部 セールスプロモーション開発担当 副長 田中将之氏)と今回は CD-ROM に着目。1996 年春から企画・制作を開始し、11 月に完成させた。

ビジネスCDROM

CDROMコンテンツ

ビジネス向けだが、あくまでも若者を意識して遊びの要素をプラス

 タイトルは『ビジネスおたすけ CD-ROM』。これまで毎年、制作してきた小冊子、『ビジネスおたすけノート』の CD-ROM 版であるが、掲載できる情報はまるで違う。内容は、ビジネスマナーや財務諸表の読み方などをわかりやすく解説する「ビジネスマン基礎知識」、冠婚葬祭や進物などの“決まりごと” がわかる「ビジネスマンのおつきあい」、社外・社内文書の文例が紹介され、宛先などを変えるだけですぐ使える「ビジネス文書と手紙」、札幌から福岡まで全国各地の地下鉄路線図が収録された「地下鉄マップ」といったビジネスに直結する情報から、見て楽しめ、知っていると役に立つ「雑学ミニ知識」「10 年ニュース」「おもしろ漢字クイズ」「世界の習慣・タブー集」、また、ビジネスホテルの予約、空港案内、国内外のニュースなどのインターネット上の情報をワンタッチで呼び出せる「インターネット URL」など盛り沢山だ。ゲーム感覚で質問に答えていくと自分に合った保険がわかる「保険のはなし」や、同社のテレビ CM もしっかりと収録されている。
 CD-ROM は Windows95 専用。ジャケットには若者に人気のある中尊寺ゆつ子氏のイラストを採用した。メニューは“目次画面”のボタンで選んでもいいし、“部屋画面”に配置された本やパソコンデスクをクリックしながら探すこともできる。

配布は 4 つの方法で

 同社では自信を持って制作したこの CD-ROM を効率的に活用するため、まず、入社時期の 4 月までにフレッシュマンを紹介してくれた先輩社員に CD-ROM を景品としてプレゼントするキャンペーンを展開している。
 同社ではターゲットとなる“先輩社員”を大きく 2 つに分け、それぞれに異なるアプローチ方法を採用している。
 ひとつは、社員の採用・教育に当たる企業の総務・人事担当者や、社員寮の寮長などの、新入社員のお世話役。これらの人々に対しては、新入社員の人数や新人研修のスケジュールについてのアンケートを配布。回答のお礼として、研修の日程に合わせて『ビジネスおたすけ CD-ROM』、『ビジネスおたすけノート』のいずれかを必要数、プレゼントした。
 もうひとつは一般の社員。こちらには、新社会人になる知人や家族を紹介して、ビジネスマナーに関するクイズに答えると、正解者は全員、『ビジネスおたすけ CD-ROM』、もしくは『ビジネスおたすけノート』がもらえ、さらに 1,000 人に MD プレーヤーが当たるという「おたすけグッズプレゼント」の応募用紙を配布した。配布数約 180 万枚に対し、約 14 万件を回収。その約半数が CD-ROM の希望であった。
 このほか同社では、マスコミに「『ビジネスおたすけ CD-ROM』プレゼント」のニュースリリースを配布したが、この結果、週刊誌やスポーツ新聞など合わせて 20 種類以上の媒体にパブリシティが掲載された。これに営業職員が買い取って、サービスとして既契約者などに進呈した分を合わせ、キャンペーン期間中に配布した『ビジネスおたすけ CD-ROM』の総数は約 6 万 8,000 枚。Windows95 でしか見られないこともあり、同期間中に配布した『ビジネスおたすけノート』の約 30 万部にはおよばなかったものの、話題性の提供によってキャンペーンの周知、レスポンス数の拡大に大きく貢献したと同社では評価している。
 現在、次回のキャンペーンに向けた、『ビジネスおたすけ CD-ROM』第二弾の企画が進行中。今度はどんな仕掛けが出てくるか、楽しみなところである。


月刊『アイ・エム・プレス』1997年7月号の記事