コンタクトセンター最前線(第26回):お客様対応マネジメントシステムを構築し高い顧客満足度とロイヤルティを追求

サントリー(株)

古くから消費者窓口を設け顧客の声に耳を傾けてきたサントリー (株) 。 同社お客様センターには、現在、フリーダイヤルやeメールなどを通じて、年間12万件もの声が寄せられている。 消費者の意見や要望は社内へフィードバックされ、さまざまな企業活動に活かされている。

JIS Z 9920に基づきお客様対応マネジメントシステムを構築

 サントリーお客様センターの発足は1976年。広報部内に消費者室を設置したのが始まりだ。その後、広報部から独立するなど幾度かの組織変更を経て、2002年よりお客様コミュニケーション部お客様センターとして新たなスタートを切った。
 お客様センターの使命は、顧客満足とロイヤルティの維持・向上である。顧客とのコミュニケーションを大切にし、顧客に安全・安心な商品、サービス、情報を提供することで信頼を獲得すると同時に、コミュニケーションを通じて収集された顧客の声を企業活動に活かすという役割を担っている。
 これを実現させるために、同社では JIS Z 9920(苦情対応マネジメントシステムの指針)に則った行動規範を策定。「お客様対応マネジメントシステム」として確立した(図表1)。

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 JIS Z 9920の採用には次のような理由があった。まずはこれを経営管理指標として活用すること。PDCAサイクルにより顧客満足のスパイラルを作り、かつ高めていくためだ。お客様センターで適切な対応をしているか否かを測ることができる、いわばCS経営の羅針盤としての役割を期待しているのである。次に、コンプライアンス経営の一環として、企業理念や倫理観を表明すること。そして最後に、信頼感を高めることが挙げられる。2000年以降、食に関するさまざまな社会問題が発生したことは周知の通り。その結果、失われてしまった顧客の信頼を回復するために、安心感を提供しようというのである。
 しかしお客様センターでの取り組みだけではCS経営、コンプライアンス経営、安心感の向上は実現しない。グループを含めた全社におけるCS マインドの醸成と全社員が共有できるナレッジが必要だ。そこで前者については、社内研修を強化。営業担当者はもちろんのこと、経理などお客様と接する機会を持たない社員までを対象に「対応品質向上研修会」を開催しているほか、新入社員の研修プログラムに顧客満足に関する項目を加えている。
 また後者については、これまで体系化されていなかった個人の経験知を、全社で共有できるかたちに換えていった。これにより、個人の恣意的対応を排除した公平・公正な対応を可能としたのである。
 JIS Z 9920は苦情対応マネジメントシステムの指針であるが、お客様センターに寄せられる顧客の声は苦情に限らないため、同社では「お客様対応マネジメントシステム」と呼んでいる。この構築には2年の歳月が費やされた。

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月刊『アイ・エム・プレス』2004年2月号の記事