“人”を核としたコールセンターの設計

(株)日本テレコメディア

代表取締役社長
関田 勝次氏

顧客にとってのメリットを追求

編集部: 御社の設立の経緯は?
関田: 当社は 1986年 11 月に設立したテレマーケティング・エージェンシ一です。テレコメディアという社名はテレ+コミュニケ一シヨン+メデイアで構成され、人と通信とコンピュータのハ一モニ一がモットーです。常にエンドユーザーの立場に立った、あたたかなコミュニケーションを創造することを企業理念にしています。
 私どもワコーグループでは、これに先がけて 1983年に(株)チェスコム秘書センターを設立しており、ここで発生した電話秘書業務、および、テレマーケティング事業を分離・拡大させて発足したのが(株)日本テレコメディアです。
編集部: 現在の業務内容は?
関田: センターは24時間、365 日稼働しており、その業務内容は受注、販売促進、調査など実にさまざまです。インとアウトの比率は約6:4といったところでしょうか。
編集部: この10月に 100席のCTIコールセンターを立ち上げるとうかがっていますが?
関田: 私どもでは1988年にCTIの原型とも言える電話秘書システム「WACOS (ワコス)」を通信会社と共同で開発しました。電話が入ると瞬時にクライアント企業情報が画面に呼び出されるというもので、 92年に機能を拡充して、現在も活用しております。
 このような経緯から、 CTIコールセンターの構築については数年前から検討を重ねてきましたが、効率ばかりを追求する技術主導型のセンター構築はしたくないと考えておりましたので、コンセプトを共有できる技術面でのパートナーを得ることが第一の課題でした。今回、丸紅ソリューション(株)さんから、顧客にとってメリットのあるコールセンター作りのご提案をいただいたことが、 CTIコールセンター実現の直接のきっかけになりました。

ワン・トウ・ワン・マーケティングを実践するために

編集部: 今、なぜCTIが注目されているとお考えですか?
関田: ワン・トゥ・ワン・マーケティングが時流になり、テレマーケテイング・エージェンシーもアカウンタビリティを求められるようになりました。本当にその顧客に合った情報をタイムリーに届けるために、CTI導入は必須の条件だと思います。顧客に「この会社はいつも私のことを考えていてくれる」と満足を感じていただくためには、オペレーターが常に最新の情報を共有している必要があります。
 たとえばIVRがあらかじめ相手の用件を把握した上で、顧客情報とともに最適なオペレーターに電話を転送すれば、「○○さん、いつもありがとうございます」と第一声からパーソナルな呼びかけができるわけです。
編集部: 今回、導入されたシステムは?
関田: プレディクテイブ・ダイアリング・システムの「UNISON」やIVRはもちろんですが、インターネットから発信された電話を受け付ける「ウェブ・ライン」という最先端の技術も採り入れています。
編集部: 「ウェブ・ライン」とは?
関田: インターネットのホームページを見て、もっと詳しい内容を尋ねたいと思った時、名前と電話番号を入力してボタンをクリックするだけで、オペレーターが待機するコールセ ンターに電話がつながるというものです。まず当社自身が第1 号ユーザーとなって、アプリケーションを開発していく予定です。
 私どもはいつもクライアント企業の分室として、クライアント本体と営業成績を競うようなつもりで仕事に当たっています。いわばクライアントは地上部隊であり、私どもは航空部隊です。 CTIは制空権を確保するための武器であると考えております。

日本テレコメディアのCTIシステム


月刊『アイ・エム・プレス』1997年11月号の記事