通信ネットワーク最前線(第45回):サポート力No.1のプロバイダーを目指して

ソニーコミュニケーションネットワーク(株)

So-netの名称でインターネット接続サービスを提供しているソニーコミュニケーションネットワーク(株)。今回はSo-netのカスタマーサポートセンターについてお話をうかがった。

顧客満足度の高いサービスの提供を目指して

 インターネットの利用者は増加の一途をたどり、その勢いはとどまるところを知らないといった様子だ。いまや、ビジネス、プライベートの双方において、ネットワークを通じてコミュニケーションを図ったり、必要な情報を入手するといったことは、確実に定着しつつある。
 このような時流の中、ソニーコミュニケーションネットワーク(株)は1995年11月、ソニーグループのインターネット・サービス・プロバイダーとして設立。翌96年1月よりインターネット接続サービスを開始。続いて3 月には、コンテンツサービス(情報提供サービス)をスタートした。これ以降も、独自のオンライン決済システムSmashを開発し、オンラインショッピングサービスを開始するなど、インターネット利用者にとって満足度の高いサービスの提供に努めている。
 接続サービス開始以降、会員数は95年度末が1万人、96年度末が15万人、97年度末が31万人、98年度末が63万人と順調に拡大し、99年12月には、100万人を突破。2000年4月末時点では123万人となっている。このうち、男性が60%、女性が40%で、年齢別構成比を見ると、男女ともに20〜30代が大半を占めている。
 国内ダイヤルアップアクセスポイント数は、全国146カ所。コンテンツ数は182タイトル。オンライン決済システムSmash利用加盟店数は483店舗。99年度の売上高は、250億円に達している。

あらゆるメディアを利用して24 時間・年中無休でお客様をサポート

 同社では、インターネット接続サービス開始と同時にカスタマーサポートセンターを開設し、電話、FAX、電子メール、ウェブサイトを利用して、お客様からの問い合わせに対応している。
 カスタマーサポートセンターは、入会方法、サービス内容の問い合わせ、各種会員情報の変更方法、および課金状況の確認などといった総合的な問い合わせに対応する「インフォメーションデスク」と、技術的な内容の問い合わせに対応する「テクニカルサポートデスク」というように、用件ごとに窓口がわかれており、さらに、両者ともに、個人のお客様を対象とした窓口と法人のお客様を対象とした窓口を設けている。
 電話による受付時間帯を見ると、「インフォメーションデスク」は、個人ユーザー向けが午前10時〜午後6時までで、年中無休。ビジネスユーザー向けが平日の午前10時〜午後6時までで、土日・祝日は休業。
 「テクニカルサポートデスク」は、個人ユーザー向けが平日の午前10時〜午後10時までで、土日・祝日は午前10時〜午後7時まで。ビジネスユーザー向けが平日の午前10時〜午後10時までで、土日・祝日は休業となっている。
 また、自動応答による「資料請求ダイヤル」「自動返信メールサービス」「ファックス情報サービス」を提供することにより、24時間・年中無休のサポート体制を整えている。
 これらの窓口の告知には、ホームページ、各サービスカタログなどを利用。「インフォメーションデスク」の告知には、ホームページ以外にも、新聞・雑誌の広告や交通広告などを活用している。

ナビダイヤルでカスタマーサポート体制の充実を図る

 カスタマーサポートセンターでは、1999年8月より「インフォメーションデスク」、および「テクニカルサポートデスク」での受付窓口にNTT コミュニケーションズのナビダイヤルを導入している。
  ナビダイヤルとは、0570ではじまる一般加入回線の番号とは異なる専用の番号を使用するサービスのこと。全国の複数のコールセンターで共通の番号を利用できるなど、より効率的な電話受付を可能とする機能がある。
 カスタマーサポートセンターでは、通話料金を発信者と着信者で分けて負担できるなど、フレキシブルな課金が可能なナビダイヤルのチャージ機能のひとつである、発信者料金指定機能を採り入れることによって、全国のお客様に市内通話料金(3分10円)でサポートサービスを提供する体制を整備した。電話によるサポート体制を拡充することにより、より一層、安心してカスタマーサポートをご利用いただこうというのがその狙いだ。
 発信者料金指定機能とは、着信者(契約者)が指定した料金区分の通話料金のみを発信者(利用者)の負担とし、差額を着信者が負担する機能(図表1)。利用者が負担する通話料金は、8段階の料金区分の中から選ぶことができ、お客様が負担する通話料金を全国一律にすることが可能となっている。

トップページ(左)(URL:http://www.so-net.ne.jp/)とカスタマーサポートセンターのメニュー画面(右)
(URL:http://www.sp-net.ne.jp/center/)

トップページ(左)(URL:http://www.so-net.ne.jp/)とカスタマーサポートセンターのメニュー画面(右)(URL:http://www.sp-net.ne.jp/center/)

【図表1】発信者料金指定機能

常にお客様の立場に立って情報提供を実施

 お客様からの電話にはIVR(音声応答装置)で対応。お客様が音声ガイドにしたがって用件の番号を入力すると、用件に応じてオペレーターにつながるか、そのまま音声ガイドが流れる仕組みになっている。お客様の用件に適したオペレーターに電話をつなぐことで、スムーズで的確な対応を実現するのが狙いだ。
 受付時間外には、時間外である旨と受付時間帯をアナウンスすると同時に、音声ガイドによる資料請求の受け付けを行っている。
 最も多いコール内容は、「ウェブが見られない」「接続できない」「電子メールの送受信ができない」といったもの。
 また、コールが最も多く寄せられるのは、月曜日の午前10時〜12時と、土曜日の午前10時〜17時。特に月曜日は休み明けということもあり、法人のお客様からの問い合わせが集中する傾向にあるようだ。また、土曜日は自宅でネット・サーフィンやインターネット・ショッピングを楽しむユーザーが 中心になる。
 カスタマーサポートセンターでは、電話がつながりにくいことでお客様にご迷惑をおかけすることがないよう、電話をかける際の目安となる問い合わせ窓口の混雑状況をホームページで公開。お客様の立場に立った情報の提供を心がけている。

よくある質問とその回答はホームページ上で積極的に公開

 カスタマーサポートセンターでは、So-net のホームページ上に頻繁に寄せられる質問とそれに対する回答(Q&A)を掲載。これにより、お客様は必要な情報を必要な時に入手することができる。
 Q&A は、「インターネット接続サービスに関するQ&A」「コンテンツサービスに関するQ&A」「ポストペットに関するQ&A」「ショッピングサービスに関するQ&A」「ビジネスサービスに関するQ&A」と、検索性を考えてサービス内容ごとに分類されている。
 また、インターネット初心者、およびSo-net 初心者向けには、インターネットに関する基礎知識などを紹介した「インターネットアシスタント」が用意されている。
 So-net の会員数は、年々右肩上がりで増加していることは先にべた通りだが、会員数が増えれば、問い合わせ件数もそれに比例して増加する。したがって、ホームページへのQ&A の掲載は、電話窓口の混雑を緩和する効果ももたらしていると言えよう。
 カスタマーサポートセンターでは、これからもお客様に安心してSo-net のカスタマーサポートを利用していただけるよう、「サポート力No.1のプロバイダー」を目標に、オペレーターの教育、サポート内容のさらなる充実への取り組みを強化していきたいとしている。

ト

“資料請求者に送付するパンフレット一式。So-net ご利用ガイド、
So-net インターネット設定マニュアル(Windows 編・Macintosh 編)、
アクセスポイント一覧、インフォメーションデスクの案内とお知らせ、
おたのしみCD-ROM が入っている

インフォメーションデスク(個人向け)ナビダイヤル告知画面(URL:http://www.sonet.ne.jp/center/info/info.html)
全国共通のインフォダイヤル 0570-00-1414 は、“オー・インフォ・インフォ”と語呂を合わせた覚えやすい番号となっている

インフォメーションデスク(個人向け)ナビダイヤル告知画面(URL:http://www.sonet.ne.jp/center/info/info.html)
全国共通のインフォダイヤル 0570-00-1414 は、
 “オー・インフォ・インフォ”と語呂を合わせた覚えやすい番号となっている

インターネットアシスタントのトップ画面(URL:http://www.sonet.ne.jp/fresh/)


月刊『アイ・エム・プレス』2000年6月号の記事