今回は、 6月から8月にかけて、郵便、 郵便貯金、簡易保険の各電話案内サービスにフリーダイヤルを導入した郵政省に話をうかがった。
3つの電話案内サービス窓口にフリーダイヤルを導入
郵政省では、今年6 月 20 日に「郵便サービス案内センター」を設置し、電話による案内サービスを開始した。続いて 7 月 22 日に 「郵便貯金電話案内サービス」を、 8 月 11 日には「簡易保険電話案内サービス」を開始し、 3サービス合わせて約 170回線のフリーダイヤルでお客様からの相談や問い合わせに対応している。
電話を窓口とした郵便に関する問い合わせ、および、相談を受け付けるセンターは、今回初めて設置したもの。郵便貯金と簡易保険については以前からお客様相談室などを設け、電話による問い合わせ受付、および相談受付を行っていたが、さらにお客様の利便性を高め、お客様サーピスの向上を実現するとともに、お客様の声をより多く収集し、これを今後のサービスの改善に役立てることを目的に、ここに今回、フリーダイヤルを導入したのだ。フリーダイヤル番号は、各電話案内サービスごとにひとつずつ。全国共通の番号で受け付けている。
これらのフリーダイヤル窓口の告知は、“郵便”“貯金”“簡易保険”それぞれのディスクロージャー冊子やそのダイジェスト版、全国の郵便局に掲出するポスター、チラシのほか、地域の公報誌などを活用して行っている。また、 1998年2 月2 日から実施される郵便番号7桁化のお知らせといっしょにフリーダイヤル番号の告知を行ったり、貯金や保険の満期のお知らせなどの各種挨拶状・案内状を送付する際に利用する封筒にフリーダイヤル番号を印刷するなど、工夫を凝らしている。
豊富な専門知識を備えた担当者が迅速かつ細やかな応対を実現!受け付け体制は三者三様
3つの電話案内サービスは、受け付ける内容が異なるため、それぞれ管轄する部署と受付体制も異っている。
まず、「郵便サービス案内センター」における電話を活用した案内サーピスは、郵務局企画課地域振興サーピス企画室が企画・管理を担当。各都道府県の主要郵便局内に、全国で合計47の郵便サービス案内センターを設置し、各種郵便商品や郵便サーピスの案内、郵便に関する意見や申告など、郵便に関するあらゆる問い合わせに対応している。
受付時間は、平日の午前8 時から午後8時までと、土・日・祝日の午前9時から午後5時まで。年中無休でお客様からの問い合わせやご意見などを受け付けている。受け付けに当たるのは、1センター当たり 4 ~7名の、郵便に関する知識を豊富に備えた聞い合わせ受け付け専門のスタッフ。フリーダイヤル回線数は、1センター当たり 2~4 回線で、合計約 100 回線にもおよぶ。
「郵便貯金電話案内サービス」は、貯金局業務課お客さまサービス推進室が企画・管理を担当。北は北海道、南は沖縄まで全国29カ所にある貯金事務センター(沖縄県は沖縄郵政管理事務所)に相談室を設置し、郵便貯金・郵便振替などの各種商品、サービスの案内、および、各種商品やサービスに関する意見や要望などの受け付けを行っている。
受付時間は、平日の午前8時30分から午後6 時まで。土・日・祝日は休業日である。郵便貯金各種商品の豊富な知識を持ち、貯金業務の内容を良く理解している貯金事務センターの専担の職員が、迅速、かつ細やかな対応を行っている。それぞれのセンターの規模に合わせ、 1 カ所当たりの担当者数は3 ~ 10名、フリーダイヤルの回線数は1~4 回線だ。
そして、「簡易保険電話案内サービス」は、簡易保険局業務課お客さま相談室が企画・管理を担当。札幌、仙台、東京、岐阜、京都、高松、福岡の7 カ所にある簡易保険事務センターにお客さま相談室を設け、簡易保険の各種商品、サービスの案内と簡易保険に関する意見、要望の受け付けを行っている。
受付時間は、平日の午前9 時から午後5 時まで。「郵便貯金サービス案内センター」同様、土・日・祝日は受け付けを行っていない。業務に当たるのは、簡易保険商品の専門知識と保険業務の知識を持った専任の担当者で、スタッフ数は1カ所あたり 2~6名。フリーダイヤルの回線数は、同じく 1カ所あたり 2~4回線。こちらも、それぞれのセンターの規模に合わせて人員とフリーダイヤル回線の数を割り振っている。
各サービスともにフリーダイヤルの付加サービスである「全国共通番号サービス」を利用。お客様からの電話は自動的に最寄りのセンターにつなぎ、通話料の軽減に努め、経済的な受付体制を整えている。
「郵便貯金」 1997年9 月号より
お客様の声はサービス改善に反映
6月 20 日から 8月末日までに「郵便サービス案内センター」に寄せられたコール数は約5 万 6,000件。 「郵便貯金電話案内サービス」と「簡易保険電話案内サービス」はフリーダイヤル導入からまだ間がないため、具体的なデータは現在集計中であるが、過去1 年間にお客さま相談室に寄せられたコール数は、「郵便貯金」80万件/年、 「簡易保険」4万件/年を数える。
取扱方法や手続きになどに関する意見や要望は地方郵政局にフィードバックされ、サービスの改善に役立てられる。またその中で、制度や仕組みに関するものなど、地方では対処しきれない内容のものは、郵政省までフィードバックされる。「郵便貯金」の例を挙げて見ると、 80万件のうち約78万件が商品案内、利率、利用方法の問い合わせで、これらはその場で回答、処理される。残りの約2万件は意見や要望で、これらはその内容によって郵便局、地方郵政局、郵政省の適所にフィードバックされる。
各管轄部門では、今後フリーダイヤル番号の普及に足並みを揃えて問い合わせ件数が増えるだろうと予測している。
「テレフォン&ファクシミリサービス」 にもフリーダイヤルを導入
「テレフォン&ファクシミリサービス」のチラシ。裏面には、知りたい情報のコード番号がひと目で分かる“情報コ ード一覧”が付いている
郵政省では 1994年度から、フリ ーダイヤルFAXで意見や要望を受け付ける、「お知恵拝借ポスト」を開始しているほか、前述のサービス案内に加えて、「郵便テレフォン&ファクシミリサービス」 「郵便貯金テレフォ ン&FAX サービス」「簡易保険TEL&FAXサービス」 の名称で、自動音声応答装置による音声とFAXによる郵便、郵便貯金、簡易保険の案内サービスを積極的に展開している。専門の担当者が対応する案内サービスとともに、この「テレフォン&ファクシミリサービス 」 にもフリーダイヤルを導入。それぞれ、全国共通の番号で受け付けている。
「郵便テレフォン&ファクシミリサービスj では、各種郵便商品・郵便サービスや郵便料金、地域の郵便局情報を提供。
「郵便貯金テレフォン&FAXサービスJでは、定額貯金をはじめとする商品・サービスの案内や、預入年月日、預入金額などをプッシュするだけで受取金額や現行利率を案内する「マネープランサービス」、日・祝日でも手数料無料の「ホリデーサービス」を実施しているATMやCDの所在地の地図や一覧表を取り出せる「地図サービス」を提供。
「簡易保険TEL&FAXサービス」では、簡易保険の主な商品やその保険料の案内、各種手続きや保険税務に関する情報を提供している。有人によるサービス案内の受付時間終了後にも、お客様がフリーダイヤルで気軽に情報を取り出せる環境を整えたわけだ。
インターネットでお客様との接点を拡大
また、各種情報へのアクセスポイントを増やすために、 1996年からインターネットに「郵政省ホームページ」や「ゆうちょのホームページ」「かんぽホームページ」など、内容ごとに複数のホームページを設け、情報提供を行っている。今年の6 月20 日からは全国47 カ所の郵便サービス案内センターの E-mail アドレスを「ゆうびんホームページ」に掲載し、郵便に関する問い合わせを受け付け、回答するサービスをスタートした。各郵便サービス案内センターに寄せられた問い合わせに、それぞれのセンターがお客様に個別に回答をする仕組みになっている。
このほかにも、貯蓄プラン、生活設計、税金、法律、年金、介護に関する相談に、郵便局のサービスをお勧めするというスタンスではなく、中立的な立場で専門家(ファイナンシャル・プランナーや社会保険労務士など)が対面による相談に無料で応じる「暮らしの相談センター」を設置している。これは、地域に密着した公共機関として、貯蓄、保障全般に渡り幅広くお客様をサポートしていきたいとする郵政省の姿勢を具現化したサーピスと言えるだろう。
現在郵政省では、郵便局や貯金事務センタ一、簡易保険事務センターなどに寄せられるお客様の声を広く収集し、分析することを目的とした「消費者情報システム」の構築に着手している。これにより、今まで以上にお客様の意見や要望が各種商品やサービスに反映され、利便性が向上することが期待される。
“ゆうびんホームページ”にある、全国47カ所の 「郵便サービス案内センター」の E-Mailアドレス一覧。都道府県名をクリックすると要望の局へメッセージを送ることができる