“ハーゲンダッツ・ファン”と交流する自社オンライン・コミュニティを運営

ハーゲンダッツ ジャパン(株)

ハーゲンダッツ ジャパン(株)では2011年4月から自社主宰のオンライン コミュニティ「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」を運営。3つの公式サークルを中心にメンバーとのコミュニケーションを展開している。今後はリアルイベントなども開催し、さらに親睦を深めていきたい考えだ。

同社とお客さまがコミュニケーションを行う“場”としてオンライン・コミュニティを運営

 1961年に米国・ニューヨークで誕生した高級アイスクリームの代名詞的存在である「ハーゲンダッツ」の日本での製造・輸入・販売を手掛けるハーゲンダッツジャパン(株)では、自社主宰のオンライン・コミュニティ「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」を運営している。
 同社におけるコミュニケーション・チャネルとしては、従来、TVCMをはじめとするマス広告や交通広告、登録した会員に新商品の情報などを定期的に伝えるメールマガジンなど、お客さまへ一方通行で情報を発信するものが多かった。その中でも中心となっているTVCMについては、同社のメインターゲットである20~ 30代の女性層における“TV離れ”が指摘される中、同社ではさまざまなタッチポイントをとらえてお客さまとコミュニケーションをとることが重要だと考えてきた。
 また、外部のSNSでは、「ハーゲンダッツラバー」が集まるコミュニティが自然発生し、活発なやり取りが行われている。
 「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」はこのような状況を踏まえ、インターネット上で同社とお客さまがインタラクティブなコミュニケーションを行う“場”として企画されたもので、2011年4月に開設された。
 「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」の企画設計においては、コンセプトとして「ファンの方に純粋に楽しんでもらう」ことが掲げられた。従って、コンテンツづくりにおいては、TVCMなどの内容と連動しながらも、商品を売るための情報を提供するのではなく、同社のファンが気軽に参加できることに主眼が置かれている。ちなみにメンバー登録は無料であり、eメールアドレスとニックネームを登録すれば、誰でも参加できる。
 なお、同社で「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」の運営を担当しているのはマーケティング本部であるが、同本部では基本的な方針の提示と運営のチェック、およびコンテンツづくりを行い、日常的な運営は、オンライン・コミュニティの構築・運営に実績のある外部企業に委託している。

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TVCM「食べごろサイン」編

3 つの「公式サークル」を中心に運営

 「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」のメイン・コンテンツは「サークル」であり、その中でも事務局が運営する3つの「公式サークル」が中心となっている。
 その中で最も登録メンバーが多いのが「ハーゲンダッツを語ろう」だ。「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」の開設と同時にスタートしたこのサークルの内容は、ハーゲンダッツにまつわるエピソードや食シーンについておしゃべりをしたり、好きなフレーバーを投票したりするというもの。2012年6月現在、約1万3,000人の登録メンバーを集めている。
 次いで登録メンバーが多いサークルが「もう食べた? ハーゲンダッツの新商品」だ。2011年8月にスタートしたこのサークルの内容は、新商品モニターの応募、新商品への期待や感想の投稿など。2012年6月現在の登録メンバー数は1万人を超えている。
 そしてもうひとつが、2012年1月にスタートした「Clubチョコブラ」だ。このサークルは2012年2月の「チョコレートブラウニー」の発売に先立って開設されたものであり、同社の中でも大型の新商品である「チョコレートブラウニー」をテーマに活発なコミュニケーションを展開している。2012年6月現在の登録メンバー数は、約4,400人に達する。

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同社とハーゲンダッツ・ファンの対話が繰り広げられている「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」

「Club チョコブラ」メンバーに限定したリアルイベントを予定

 公式サークルにおいては、同社が投げ掛けるテーマについて、登録メンバーが投稿を行うかたちが中心である。投稿を促進する仕掛けとしては、コアな“ハーゲンダッツ・ファン”が興味を持つようなテーマでの投稿募集企画と、投稿すること自体にまだ抵抗感のあるコミュニティ・ユーザーでも参加しやすい「好きなフレーバー」への投票企画などを組み合わせて実施しているほか、随時、抽選で同社商品の詰め合わせやギフト券などをプレゼントする企画なども行っている。
 「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」運営上の目標としては、開設から1年間で1万人以上の登録メンバーを集めることが掲げられていたが、従来から配信していたメールマガジンや自社Webサイトなどでの地道な訴求しか行わなかったにもかかわらず、2012年初頭には早々にこの目標をクリア。次の獲得目標も定められてはいるものの、登録メンバー数を拡大することだけが目的ではないと考えており、今後もこれまで同様にインターネット上を中心に地道な訴求を行うことで、コミュニティの“質”の維持を図りながら、徐々に規模を拡大していきたい考えだ。
 今後の具体的な計画としては、2012年7月に「Clubチョコブラ」メンバーに限定したリアルイベントの開催を予定している。これは応募者の中から90人程度を招待し、“スプーン・テイスティング”などの企画を実施することで、さらに親睦を深めようというもの。また、メンバーに対するアンケート調査なども実施することで、「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」に対する意識や要望などを把握し、今後の運営方針の策定に役立てていきたい考えである。

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「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ」では、2012年2月の発売に先立って、新商品「チョコレートブラウニー」をテーマとしたサークルを立ち上げ、活発なコミュニケーションを展開


月刊『アイ・エム・プレス』2012年7月号の記事