携帯位置情報ゲームと全国の提携店舗を対象とする来店・販売促進サービスを連動

(株)コロプラ

携帯位置情報ゲーム「コロニーな生活☆PLUS」を運営する(株)コロプラでは2009年6月、同ゲームを活用した新たな来店・販売促進サービスの提供を開始。さらに、交通機関や旅行会社、宿泊予約サイトなどとのタイアップも進め、ゲームをきっかけとする「お出かけ」を促進している。

ゲームユーザーの楽しみ拡大施策から派生した来店・販売促進サービス

 (株)コロプラでは2009年6月、運営する携帯位置情報ゲーム「コロニーな生活☆PLUS」を活用した新たな来店・販売促進サービスの提供を開始した。
 「コロニーな生活☆PLUS」は、携帯電話の位置情報送信機能を利用したシミュレーションゲーム。NTTドコモ、au、ソフトバンク、ウィルコムに対応しており、利用料無料、登録不要で楽しむことができる。ゲームの基本的な仕組みは、ユーザー=携帯電話の移動距離に応じてゲーム内通貨「プラ」を獲得し、そのプラを使って自分のコロニーを育てていくというもの。隕石落下など予期しないイベントが発生するほか、近隣コロニーとのコミュニケーションやアイテムなどの取り引き、全国各地のお土産アイテム収集など、さまざまな楽しみ方がある。このゲームは、2003年5月に個人運営サイトとして始まった前身の「コロニーな生活」を含めると7年以上運営されており、口コミを中心に拡大したユーザー数は、2010年11月末現在、約155万人に及んでいる。ちなみに位置情報ゲームの略称である“位置ゲー”は同社の登録商標である。
 「コロニーな生活☆PLUS」では、ユーザー=携帯電話の移動距離がゲームの基本となっており、「出かける」ことがゲーム攻略のための必須条件となっている。実際にゲーム攻略のためにわざわざ「出かける」ユーザーも存在するようだが、ゲーム上でメリットがあるリアルな“目的地”があれば、さらにユーザーの楽しみが拡大する。「コロニーな生活☆PLUS」を活用した来店・販売促進サービスは、このような考えから派生したものであり、いわばゲームの魅力拡大の副産物とも言える。
 この来店・販売促進サービスの基本的な仕組みは、ゲームのユーザーが、同社が独自に選定した全国の提携店舗を訪問して商品を購入すると、購入金額(1,000円、2,000円、5,000円)に応じて、店舗ごとに異なるデザインが施されたプラスチック製カード「コロカ」が提供され、カードの裏面に印刷されているシリアル番号をゲーム内で入力すると当該店舗限定の特別アイテムの購入権利が得られるというもの。
 「コロカ」を入手するには、提携店舗店頭へ出向き、所定の金額分の商品を購入しなければならないため、ゲーム内特別アイテムという“バーチャル”が「コロカ」や人の移動という“リアル”と連動する仕組みとなっている。なお、ゲーム内の画面には、「コロカ」提携店舗の歴史や製品、ものづくりへの思いなど、取材記事風の詳細な説明が写真付きで掲載されるため、ユーザーは事前に店舗や商品に関する詳細な情報を入手できる。また、「コロカ」は訪問の記念としてユーザーの手元に残るため、各社の商品やブランドを永続的に訴求するのにも役立つ。
 ビジネスモデルとしては、各店舗用の「コロカ」は同社が用意して提供。提携店舗はゲームユーザーの購入金額(≒「コロカ」の発行枚数)に応じて同社に手数料を支払うというかたちであり、成果報酬型のモデルであると言える。

提携店舗全体でのゲームユーザーの来店・購買客数は月間2万人超

 「コロカ」の提携店舗は、各県4~5店舗、全国200店舗を上限として、通常毎月5~6店舗ずつを同社スタッフ全員で行う試飲・試食や匿名による現地訪問など、綿密なプロセスを経て選定している。2010年12月1日現在の提携店舗数は86店舗。いずれも“旅費をかけてでも訪れるべき、日本の良いものを提供している店舗”であり、いわゆる定番品を提供している店舗ではなく、空気感も含めてその土地の良さが伝わってくる店舗を厳選しているとのことだ。
 提携店舗の獲得については、例えば、サービス開始時における対象4店舗中の1店である、佐賀県の磁器メーカー・(有)しん窯との交渉時などでは、実際に同社スタッフが訪れて、ゲームやサービスの内容を説明してもなかなか理解してもらえずに苦労したとのこと。しかし、何とか説得してサービスをスタートしたところ、初日から関東在住の熱心なゲームユーザーが店頭を訪れるなどの成果が表れ、店側から驚かれたとのことであり、現在ではこのような成果が口コミで伝わったり、マスコミなどを通じて広まったりした結果、全国の数多くの店舗から提携を希望する引き合いが寄せられるまでになっている。
 なお、提携店舗全体でのゲームユーザーの来店・購買客数は月間2万人を超えている状況であり、各店舗の来店・販売促進に大きく寄与しているもようである。

交通機関とのタイアップや旅行商品情報提供サービスにも着手

 「コロニーな生活☆PLUS」では、「コロカ」による店舗との提携以外に、“移動”自体を提供する交通機関とのタイアップも行っている。その第一弾となったのが、2009年11月から2010年3月にかけて実施したJR九州とのタイアップによる「九州一周塗りつぶし位置ゲーの旅」である。
 この企画の基本的な仕組みは、JR九州管内の指定された50駅をめぐり、各駅から携帯電話で「位置情報」を送信すると、ゲーム上の九州の地図が塗りつぶされていき、塗りつぶした駅数に応じてゲーム上で使えるアイテムがもらえるというもの。JR九州では、ゲームの実施に合わせて、九州の地図と列車をデザインしたプラスチック製の記念乗車カード「コロカ」をセットにした「コロプラ★乗り放題きっぷ」を発売した。
 なお、この企画が非常に好評を博したことから、その後、他の交通機関からも多くの引き合いがあり、これまでに、JR北海道やJR四国、東京メトロなど、さまざまな交通機関との類似タイアップが実現している。
 さらに、2010年2月には、(株)JTBおよび(株)リクルート・旅行カンパニーの調査・研究組織「じゃらんリサーチセンター」との連携による、ゲームユーザー向け旅行商品情報提供サービス「コロ旅(ころたび)」もスタート。同年3月には近畿日本ツーリスト(株)、トップツアー(株)、(株)日本旅行、同6月には(株)エイチ・アイ・エスも提携先に加え、ゲームユーザー向けに特別に企画され、原則として団体パッケージツアーのかたちで実施される「コロ旅オフィシャルツアー」、一般向けとして企画された団体パッケージツアーにゲーム連動の情報を付加した「コロ旅特選ツアー」などを紹介している。
 そのほか、2010年5月には、リクルートの宿泊予約サイト「じゃらんnet」と提携し、同サイトで予約して対象宿泊施設に泊ると各都道府県の「県コロカ」がもらえる企画もスタートしており、旅行分野におけるタイアップの範囲はますます広がっている。
 このように数々のタイアップを実現している「コロニーな生活☆PLUS」であるが、その本質はあくまでもゲームであり、一義的な目的はユーザーに“楽しみ”を提供することにある。同社では、今後もこの方針を堅持しつつ、「コロニーな生活☆PLUS」をきっかけとする「お出かけ」が地域に活力を与えるようなタイアップの開発を進めていく意向である。

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JTBとの連携による「コロ旅」参加時に提供されたコロカ

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サービス開始時からの提携先、しん窯を訪れたツアーの様子

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月刊『アイ・エム・プレス』2011年1月号の記事