イベントと流通店頭で年間400万個の試供品を配布

アサヒフードアンドヘルスケア(株)

錠菓市場「売り上げ個数NO.1」のシュガーレスミントタブレット「ミンティア」を販売するアサヒフードアンドヘルスケア(株)。同社は、東京・渋谷の街全体を使った参加型スポーツイベント「MINTIA JAPAN in Shibuya」を中心に、全国6大都市で「MINTIA JAPAN tour」と題したプロモーションイベントを展開。その一環でサンプリングも実施した。同社では、「ミンティア」の新しさ、明るく楽しいイメージの訴求を高め、「ミンティア」のさらなるブランド強化を目指している。

TVCMと連動してイベントを実施し商品サンプルを配布

 「健康創造企業」を標榜し、健康関連商品、酵母エキス、機能性食品、フリーズドライ商品などの製造・販売を手掛ける、アサヒビールグループのアサヒフードアンドヘルスケア(株)。同社では、2005年から、主力商品のひとつであるシュガーレスミントタブレット「MINTIA(ミンティア)」のプロモーションチームとして「ミンティアガールズ」を投入。TVCMの放映と連動して、「ミンティアガールズ」による商品サンプリングを中心とする大規模イベントを実施するとともに、GMS、スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストアなど、「MINTIA」の取り扱い流通店舗でも、「ミンティアガールズ」による店頭サンプリングを随時実施し、販売促進につなげている。
 「MINTIA」のような錠菓は指名購買の比率が高く、また、店頭での購入決定のスピードが速い。購入者の多くがパッケージにより目当ての商品を探し、手に取って、購入しているのだ。従って、そのプロモーションにおいては、強烈なインパクトにより、商品とパッケージデザインを結び付けて記憶してもらうことが重要になる。以上のような認識に基づき、同社が2005年から展開しているのが、「ミンティアガールズ」を軸とするプロモーション活動である。
 「ミンティアガールズ」は「MINTIA」の主要フレーバーである「ワイルド&クール」のパッケージをイメージさせるコスチュームに身を包んだ女性によるプロモーションチーム。タレントのビビる大木氏が女性に扮してその一員となり、異彩を放っている。「ミンティアガールズ」が登場するTVCMも放映されており、認知度は高い。この「ミンティアガールズ」を中心とするイベントを実施し、そこで商品サンプルを配布することにより、特に「MINTIA」の主要顧客層である10代後半から20代前半の男性に、強い印象とともに商品を認識してもらうことを狙っているのだ。

「MINTIA JAPAN in Shibuya」を中心に全国6大都市でイベントを実施

 2007年春のプロモーションでは、「MINTIA」が2006年に国内錠菓市場で“売り上げ個数NO.1”ブランドになったことにちなみ、「ミンティアガールズ」を同市場における日本代表“MINTIA JAPAN”と位置付けた。メイン会場の東京・渋谷では、5月20日に約100名の「ミンティアガールズ」を投入。「MINTIA JAPAN inShibuya」として、渋谷駅構内、SIBUYA109、渋谷マークシティ、渋谷パルコで、「空中バタ足選手権」「卓球選手権」「レシーブ選手権」「エアロバイク選手権」といった参加型のスポーツイベントを開催し、参加者や観覧者にサンプル配布を行ったほか、街の各所でも「ミンティアガールズ」によるサンプル配布を実施した。さらに屋外広告や広告車両の走行なども行い、さながら「MINTIA」による“渋谷ジャック”といった状況を作り上げた。一方、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の各都市では、「MINTIA JAPAN tour」としてそれぞれ4月下旬から5月中旬の各1日、数十名規模の「ミンティアガールズ」を投入。「ミンティアガールズ」と共通するイメージのラッピングを施したバスを拠点にサンプル配布などを実施した。なお、街頭で「ミンティアガールズ」を目にした人に想起してもらうことを意識し、TVCMはイベントに先立って、4月上旬から放映したとのことである。
 配布するサンプルは、イベント実施地域での販売を阻害してはならないという配慮から、実際の商品を同一デザインのまま小型化した3粒入りの試供品とした。配布数は現行の8つのフレーバー合計で、渋谷では14万~15万個、ほかの5都市ではそれぞれ6万個前後に及ぶ。
 なお、イベントを担当する食品営業部では、イベントの成果について、TVCMなどを含めたプロモーションの一環として行っていることから単体での明確な評価は難しいものの、多くのマスコミに取り上げられパブリシティ効果があったこと、さらに、プロモーション後、国内錠菓市場でのシェアが拡大し、売り上げ金額ベースでも“NO.1”になったことなどから、基本的に成功であったと認識している。従って、今後もマイナーチェンジによりマンネリ化を避けながらも、同様の展開を継続していく意向だ。

大阪クイズサンプリング

「エアロバイク選手権」の様子

渋谷バタ足選手権

「空中バタ足選手権」の様子

渋谷サンプリング3
ラッピングバス2

「MINTIA JAPAN in Shibuya」を中心に、全国6大都市でイベントを実施。参加型のスポーツイベントを開催し、「ミンティアガールズ」によるサンプル配布を行うほか、ラッピングバスを走らすなど、“渋谷ジャック”といった状況を作り上げた

ターゲットと配布場所、フレーバーを組み合わせた展開を随時実施することを検討

 イベントにおけるサンプリングと並行して行っているのが、「MINTIA」の取り扱い流通店舗における「ミンティアガールズ」による店頭サンプリングだ。
 店頭サンプリングは、全国7カ所の支社・支店の営業担当者が、担当する流通店舗と交渉して実施している。本社食品営業部は、サンプリングに使用するツール類や試供品の提供などにより、これをサポートするかたちだ。
 直近では、ほぼ毎月、数カ所で店頭サンプリングが行われている状況であり、年間の配布サンプル数は300万個にも及ぶ。流通店舗の業態ではGMS、スーパーマーケットが中心だが、ドラッグストアや新規開店するコンビニエンスストアで実施するケースもある。
 店頭サンプリングでは、売り場活性化への貢献による陳列スペースの確保・拡大とともに、現在の主要顧客層以外の潜在ニーズ、中・高校生や主婦層などのニーズ掘り起こしによる実需要拡大が大きなテーマ。配布する試供品も、例えばGMS、スーパーマーケットでのサンプリングでは、主な利用者である主婦層にマッチするフルーツフレーバーを用意するなどの配慮を行っている。さらに最終的には、類似の目的で使用されながら、錠菓と比べて格段に市場規模が大きい、ガムからのカテゴリースイッチにつなげていきたい考えだ。
 商品サンプリングに関する今後の取り組みとしては、ターゲットと配布場所、フレーバーを組み合わせた展開を随時実施することを検討している。例えば、以前“受験応援企画”として、受験シーズンに予備校で、「サクラサク」に通じるチェリーフレーバーの試供品を配布したが、このような試みを徐々に拡大していく意向だ。

注)錠菓市場「売り上げ個数NO.1」は、AC Nielsen Scan Track 2006.1~2007.1錠菓市場データによる

月刊『アイ・エム・プレス』2008年1月号の記事