3つのCSがホテルを支える サービスの始点は従業員満足

ザ・リッツ・カールトン大阪

心のこもっていないサービスはサービスではない。そう言い切るザ・リッツ・カールトン大阪は、全従業員が同社の哲学や行動指針を記載した「クレド・カード」を携帯していることでも知られている。しかし意外にもサービスのサイクルは従業員満足から始まるのだと言う。その真意に迫る。

従業員満足→顧客満足→オーナー満足

 「サービスのサイクルは従業員の満足から始まる」と、人事部長 橋本裕之氏は語る。ホテルには①インターナル・カスタマー(内部顧客)=従業員と、②エクスターナル・カスタマー(外部顧客)=顧客が存在し、①の満足が獲得できて初めて②の満足を得ることができ、それがオーナーの満足(=収益)につながっていく。これが、リッツ・カールトンの経営理念におけるサービスのサイクルであり、すべての始まりは従業員満足と考えられている。以下に、この理念が、実際にいかに具現化されているのか、その詳細を解き明かしていこう。
 従業員満足について語る前に、まず同社がどのような人材を採用し、訓練を施すかについて説明しよう。
 「(T+F)×I=G」。 なぞ解きのようなこの計算式は、従業員をホテルの成長に結び付けるための独自の方程式だ。T(Talent)はタレント=資質/才能を表し、F(Fit)は適材適所を、I(Investment)は投資=トレーニングや、給料・福利厚生、そして素晴らしい行いは褒め、従業員としてふさわしくない振るまいはたしなめるという、従業員に対する関心・認識を示す。TFIの三拍子が揃って初めてホテルの成長=Growthにつながる、というコンセプトである。この方程式は、従業員に素質がなければ、どんなに素晴らしい教育も、多大な投資も無に帰すことを示している。つまり、教育、トレーニングをうんぬんする前に、まずはサービス業に適した人材をいかに見極めるかが重要なのである。

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月刊『アイ・エム・プレス』2003年8月号の記事