“to a customer”から“for a customer”へ

2008年4月27日

昨日は、今月の半ばに行った、オンデマンドのCRMソリューションで知られる
米・RightNow Technologiesの創業者であり、CEOでもある、
グレッグ・ジアンフォルテーさんのインタビュー原稿を作成した。
インタビュー直後にも一度、その概要をご紹介したいと思ったのだが、
何せバタバタしていて機会を失ってしまった。
原稿を作成するに当たって改めて内容を振り返ってみると、
つくづく面白いインタビューだったなと思う。
何が面白かったかって、そもそも米国のCRM支援企業のトップに
インタビューさせていただくのが久しぶりだったこともあるが、
中でも最も印象に残ったのは、“to a customer”から
“for a customer”へという考え方である。
つまり、第一世代のCRM製品は“to a customer”を志向し、
社内のオペレーション効率の向上にフォーカスしていたが、
本来、CRMは“for a customer”でなければならず、
顧客に優れた経験を提供すること(Customer Experience)
こそが重要であるというのだ。
以前にこのブログでもご紹介した弊社の新刊、
「顧客」の時代がやってきた
「売れる仕組み」に革命が起きる
(石塚しのぶ著)
の英文タイトルは、いみじくも“Innovation for Customer Experience”。
つまり、立場は異なるものの、米国在住のお二方がいずれも、
インターネットの普及に伴い顧客のパワーが増大する中で、
“Customer Experience”が重要だと主張しておられるのだ。
そんなこんなで、いま、私の頭の中では、
“Customer Experience”がマイブームになると同時に、
ジアンフォルテーさんがおっしゃる
“to a customer”と“for a customer”の違いが、
どこまで深く理解できているのかを何度となく頭の中で反芻している次第。
何といっても相手はアメリカの方であり、
かつ、通訳を介しての英語でのインタビューだったので、
表面的な意味ならともかく、どこまで深く・・・ということになると、
はなはだ心もとない。
つまり今回のケースでは、toとforのニュアンスの違いが
どこまで自分の腑に落ちているかが問われるわけで、
やはりこのグローバルな世の中でビジネスを展開する上では、
英語の勉強は欠かせないなと改めて痛感する次第である。
さて、ジアンフォルテーさんへのインタビューは、
月刊『アイ・エム・プレス』5月25日発行号に掲載予定。
詳細はそちらをお楽しみに。