関心空間にトップインタビュー

2008年4月20日

先週、(株)関心空間 代表取締役の前田邦宏さんにインタビューを行った。
同社が主宰する「関心空間」は、
そもそも同社が企業向けに提供するコミュニティサイトの構築を支援する
ソリューションのショーケースとしてスタートしたサイト。
ユーザーが関心のある商品名・店名・作家名などの固有名詞を
キーワードとして登録し、お薦めポイントなどを投稿すると、
これに共感した他のユーザーと自由に“つながる”ことができるという
ユニークな仕組みのCGM(Consumer Generated Media)である。
同サイトにおいては、コンテンツの閲覧は誰でもできるが、
キーワードや日記を投稿するためにはユーザー登録が必要。
サイト検索をきっかけにサイトを訪れるユーザーが多いのに対し、
登録ユーザーには情報感度の高い層が多いとのことなので、
サイト訪問者を登録につなげるのは、そう簡単ではないだろう。
しかし、登録ユーザーの情報感度の高さは、
キーワード登録の対象を固有名詞に特化していることと相まって、
メーカーのマーケティング担当者の注目を呼んでもいる。
すなわち同サイトは、一般生活者にとっての“関心空間”であるだけでなく、
マーケティング担当者にとっての“関心空間”ともなっているのだ。
前述の通り、そもそも同サイトは同社のソリューション事業の
ショーケースとしてスタートしたわけだが、
現在では、“生活者の関心”と“企業の関心”をつなぐ
“メディア”としても機能し始めている。
前田さんによると、Web2.0が浸透してきたことに伴い、
かつてはタブー視されていたCGMへの企業の書き込みが、
徐々に受け入れられるようになってきているとのこと。
同社ではこうした生活者の意識の変化を受けて、
通常のアフィリエイトやコンテンツマッチング広告に加え、
PRやマーケティング機能にSEOを加えた法人スペースの提供にも取り組んでいる。
前田さんによると、同サイトにおける今後の課題は、
登録ユーザーと閲覧ユーザーのギャップを埋めることとか。
個人的には、人々の関心の背景にある文脈に注目する同サイトには、
生活者の購買動機を把握するヒントが隠されているのでは、
とかねてより注目していたのだが、
ユニークなだけにわかりにくさが伴うこと、
固有名詞にコメントするという行為のハードルの高さなどから、
この壁をどうクリアするのかが、
同社の次なる成長の鍵を握っていると言えそうだ。
なお、本インタビューの詳細は、月刊『アイ・エム・プレス』
5月25日発行号に掲載される。