米国最新事情

2005年9月8日

昨日、無事、入稿が終わったので、今日はようやく社外に出た。
午前中は営業会議、午後は来年から新連載を書いていただく、
米国在住のコンサルの方々と打ち合わせ&情報交換後、
ネットを駆使した出版事業を立ち上げる企業との打ち合わせを経て、
会社にもどってきた。しかし、暑くてまいったな!
今日の米国のコンサル会社の方々との情報交換は面白かった。
新連載のテーマと絡めて、今、米国において、
CRMやOne to One、ダイレクトマーケティングなどの言葉が、
どのように受け止められているかをうかがったのだが、
これらすべての言葉が“遠い昔のこと”という認識のようだった。
たとえばCRMは、日本同様、米国でもIT業界が主導、
ITシステムの導入に失敗した企業が続出したことから、
本来は重要なコンセプトであるCRMという言葉が人気薄に。
One to Oneに至っては、一同「あ~」という反応。
「そんな言葉もあったな~」と昔を懐かしむかのような感覚だ。
そしてダイレクトマーケティングについては、
「もはやそうしたビジネスモデルはない」とのこと。
これはダイレクトマーケティングを通販よりで捉えた上で、
それはチャネルのひとつに過ぎないという認識のようだ。
その心は、チャネルの選択権は生活者が握っているということだ。
弊誌の誌名であるアイ・エム・プレス」のIとMは、
インタラクティブ・マーケティングの頭文字をとったものだが、
このインタラクティブ・マーケティングについても同様に、
米国における認識を聞いたところ、
かつて、インターネット旋風が米国を吹き荒れていた頃、
インターネットさえ活用すればビジネスが上手くいくとばかりに、
独立系インタラクティブ・エージェンシーが乱立した時代があったが、
今ではそうした独立系の企業は鳴りを潜め、
大手広告代理店グループの一部門としてのみ存在し続けているという。
つまり、インターネット単独ではビジネスにならなかったのだ。
CRMという言葉がIT業界に荒らされてしまったとすると、
インタラクティブという言葉は、プロモーション業界に荒らされた。
それが米国市場をウォッチし続けている彼らの見解のようだ。
とは言え、もちろん、それをCRMと呼ぼうと呼ぶまいと、
(広義での)ダイレクトマーケティングと呼ぼうと呼ぶまいと、
さらには、インタラクティブ・マーケティングと呼ぼうと呼ぶまいと、
米国において、そして日本においても、今まさに、
それらの言葉が意味するところが注目されているに違いない。
それをなんと呼べば良いのか・・・・。
米国においても、決め手となる言葉はまだ登場していないようだ。