月刊「アイ・エム・プレス」ビジネスセミナー

2006年9月26日

今日は、この11月28日に開催される、月刊「アイ・エム・プレス」
ビジネスセミナーで講師をお引き受けいただくことになっている
㈱ワコール マーケティング統括部 顧客コミュニケーション推進室
室長の大薮範子さんをお訪ねし、詳細のお打ち合わせをしてきた。
大薮さんには弊社が発行する「CRM年鑑」で、弊社の編集スタッフが
取材させていただいたのがきっかけだが、私自身ははじめてお目にかかった。
大薮さんのご講演テーマ、内容は、下記の通り。
■テーマ
ワコール スタイルサイエンス サイト誕生秘話
—-CRM系Webサイト構築の道のり

■内 容
 同社では、ロイヤルティの高い顧客がいるブランドについて、期間限定のコミュニティサイト(“ファンサイト”)を立ち上げてきた。ファンサイトでは、コミュニケーションの場としてBBSを設け、その中からアイデアや意見を採用して商品化するなど、多くの実績を上げてきた。
 2005年5月には、スタイルサイエンスという機能訴求の商品群を新発売。この商品を購入したお客様にヒップアップやおなかが引き締まったことを“実感”していただくため、「ワコール スタイルサイエンス サイト」というCRM系サイトを構築した。
 現在、さまざまな工夫を施しながら、使用し続けるためのフォローを行っている。また、お客様同士で使用実感を語り合うBBSも設けるなど、Webを起点に実践してきた顧客との継続的な関係づくりを紹介する。
本日、大薮さんとお話した中で、面白かったのは、
この「ワコール スタイルサイエンス サイト」が、当初の想定とは
まったく異なるところに帰結しているというところ。
当初はプロモーションという観点から大々的に会員を募集し、
投資に見合うだけの販売促進効果を創出しようと目論んでいたが、
実際に蓋をあけてみると、現場はてんやわんやの大騒ぎ。
結果的には「量より質」的な運営方針にシフトしたというのだ。
立ち上げ当初のことを振り返って、大薮さん曰く、
「とにかく会員数を増やそうと思えば、それは可能だったでしょう」。
つまり、プレミアムなどを活用することで会員拡大は可能だが、
こうした「質より量」的な運営が果たして良い結果を招くのか?
といったん立ち止まって考えられたわけだ。
そして、あくまでも商品の購入者に対象を絞り込むことで、
質の高い顧客情報を収集すると同時に、
同じく質の高い口コミ効果を得る道を選択したのだ。
Windows95の発売から10年を経て、
インターネット・マーケティングも徐々に進化してきている。
ネットは店舗や営業担当者などのリアルチャネルに比べて低コストなだけに、
当初はとにかく物量で勝負する向きが少なくなかったが、
最近ではワコールのように、ネットが持つインタラクティブ性を活かして、
きめ細かいマーケティングを展開しようという企業も増加しているようだ。
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