デジタルガレージ設立10周年

2005年8月30日

今日は、午前中は社内での打ち合わせ、
午後はデジタルガレージ設立10周年記念の
「ニューコンテクストカンファレンス 2005」、
そして夜はレセプションに参加してきた。
カンファレンス、レセプションともに、会場はウエスティン東京。
数えたわけではないが、各々300人ぐらいの参加者が集った。
カンファレンスは、10:30~17:20まで、
二会場に分かれて計9セッションが開催されたが、
私が参加したのは、下記の3コマ。
①「ブログマーケティングの未来」
デジタルガレージ 代表取締役グループCEO 林郁氏の
司会によるパネルディスカッション
パネリストは、弊誌ブログ特集でインタビューにご協力いただいた
カレン 開発営業本部 本部長 四家正紀氏ほか
②「Blog化時代のプロモーション成功事例研究」
アイベックス・アンド・リムズ 代表取締役会長 辻井良一氏
花王 Web企画室長 石井龍夫氏
③「No.1サーチビジネス/テクノラティ
BLOGの広告・マーケティングの可能性」
㈱デジタルガレージ 共同創業者・顧問/
㈱テクノラティジャパン 取締役 伊藤穣一氏
ご覧いただければおわかりの通り、
ブログのセッションばかりを受講した格好だ。
①は途中から参加したので、コメントは差し控える。
②は、弊誌のケイタイ特集でインタビューにご協力いただいた、
辻井さんのリードの元、花王の石井さんが、
高価格シャンプー「Asience」におけるブログ活用の成功事例を紹介。
これはコミュニケーションを戦略的に設計することで、
既存のブログを効果的に活用して口コミを誘発した例だが、
辻井さんが花王を「大メーカー」と称されたのを受けて、
石井さんが、大量に広告を出して恥ずかしい
といった主旨のことを言われたのが、印象に残った。
今やマス広告に湯水のようにお金を投じるのは、
「恥ずかしい」ことだという感覚があるのだろうか。
すごいことになってきた。広告代理店は大変だ~。
また、辻井さんのお話の中では、ブログの世界では、
少数のマス、それよりちょっと多いニッチのサイトがあるが、
それを圧倒的に上回る数の個人サイトがある。
個人サイトのウォッチャーはほんの一握りだが、
とにかく数が多いだけに、ウォッチャーの総数ではマスを上回る、
という説明になるほどと思った。この個人サイトの広がりを、
グラフにしたときのイメージでBig Tailと言うらしい。
③の伊藤穣一さんは、米国テクノラティ社 P.ハッシュバーグ氏が
病気のために来日できなかったことに伴うピンチヒッター役。
とは言え、そこはさすがに伊藤さん。すばらしい講演だった。
本セッションは、基本的にテクノラティ社のプレゼンであることから、
まずは同社のシステムを駆使して収集したブログに関するデータを紹介。
例えば、8割の尻尾(Big Tail)は1日に4~5人にしか見られていない、
このところブログサイトは5ヶ月ごとに倍増している、
2005年6月現在、日に5万個以上のブログが作られている、等々。
その後、P.ハッシュバーグ氏が用意したパワーポイントに沿って、
マスメディアは消費者の注目を集め、維持する力を失いつつある、
伝統的な口コミマーケティング「業界」とブログの間には距離がある、
大手広告主がブログに関心を持ち始めている、等々の米国事情を紹介。
伊藤さんによると、ブロガーに報酬を支払うのはまずいが、
商品サンプルの進呈や、イベント参加の交通費はOKの範囲らしい。
マイクロソフトはブロガーに交通費を支払って、
記者会見のようなことを行っているし、
アップルも一般生活者のブログを効果的に活用しているという。
伊藤さんは、プレゼンの最後を、
会社のブランドの裏側に人間の存在が感じられることが大切と結んだ。
そして今後は、宣伝もマーケティングも商品に集中していくという。
時間が押し迫った中での駆け足での一言だったが、
作り手の意志が感じられるところにブランドの価値があり、
それを伝えることこそが宣伝であり、
また、マーケティングに違いないという意味と捉えた。
そしてそれができるのがブログということか。
私自身も月刊「アイ・エム・プレス」の作り手として、
もっともっと想いを伝えていかなくてはと思った。
ちなみにテクノラティは、ブログで何が起きているかを知るための
ブログリアルタイム検索。約1,500万のブログが登録されているという。
私もこの週末に、「通勤電車」を登録してみようと思う。
検索しやすくなって、アクセスが増えるだろうか?
目に見えた効果があったら、皆さんにもお知らせしますね。
(こういうブログがテクノラティのPRになるという話だ)