コールセンターセミナー無事終了

2008年10月11日

怒涛の1週間がなんとか終わった。
「怒涛」というのは、月刊『アイ・エム・プレス』 11月号の印刷入稿の翌々日が、
弊社主宰の「『コールセンター年鑑2008』出版記念セミナー」であったからだ。
しかも、編集作業の遅れから、実際の印刷入稿日はセミナーの前日に。
おかげでセミナー当日にはダミ声でご挨拶&講演をすることになり、
ご参加くださった方々には、さぞかしお聞き苦しかったことと思うが、
ゲストスピーカーのお二人のお話はとても面白かったし、
全体としてもなかなか良いセミナーだったと自画自賛している。
全体として良い・・・と自画自賛する理由は、
本セミナーの3つのカリキュラムがすべて同じ方向を向いていたから。
その方向とはとりもなおさず、本セミナーのテーマである
「ビジネスの進化を促進する先進的コールセンターとは」なのだが、
主催者である私の話がテーマに即しているのはミニマムの条件として、
それぞれにお立場の違う2名のゲストスピーカーが
講演依頼時に弊社からお願いしたコンセプトに則って、
現場の中で培われた豊富な知見を集約し、
披露してくださったことには、心から敬意を表したい。
以下に、当日、いらっしゃれなかった「通勤電車」読者の皆様のために、
私自身の講演のアウトラインをご紹介する。
1.コールセンターの過去10年間の歩み
弊社が1998年から行ってきたコールセンターにかかわる企業調査結果に基づき、
国内におけるコールセンターの10年間の歩みを以下の通りご紹介。
テレマーケティング、すなわちコールセンターで展開される業務は、
そもそもは販売やプロモーションが主体だったものが、
2000年頃から顧客サービス主体に変化してきた。
この頃から、それまでのテレマーケティングという言葉に代わって、
コールセンターという言葉が多用されるようになるとともに、
各社が規定したサービス品質をいかに効率的に維持するかが、
コールセンターにまつわる最大の関心事になった。
しかし、ここにきて、VOC(Voice of Customer)の活用や、
プロフィットセンター化などへの注目の高まりとともに、
コールセンターは再び、マーケティングの文脈で語られるようになってきた。
2.企業戦略としてのコールセンター
前出のプロフィットセンター化、VOCの活用の2つの観点から、
コールセンターの現状にフォーカスし、
前者が短期的視点で企業収益に貢献するアプローチであるのに対し、
後者は顧客のロイヤリティを高めることを通して、
長期的視点で企業収益を向上するアプローチであると説明。
2008年の弊社による調査結果に基づき、
各々への取り組みの現状を定量的に紹介した。
3.成功事例に学ぶ
「コールセンター年鑑2008」に掲載されている計38社のケーススタディの中から、
以下の4社のコールセンターの概要と注目ポイントを紹介。
①キリンビバレッジ(株):ご指摘対応の30分ルール
②ライオン(株):「ピンポンシステム」によるお客さま情報の共有
③弥生(株):インバウンド・セールスの展開
④(株)ぐるなび:営業担当者のサポート
4.サービスとマーケティングの融合
サービス・サイエンスサービス・ドミナント・ロジックという
サービスにかかわる2つの新しいコンセプトを紹介。
前者については、コールセンターは他の顧客接点よりも
科学的なアプローチが先行していること、
これに伴い、自社の顧客のために構築したサービスノウハウを
他社に外販するといった取り組みも進んでいることに言及。
後者については、モノがサービス提供のメディアと化し、
企業とお客さまとのコラボレーションによる価値創造が求められる中で、
コールセンターは企業の発信へのお客さまの反応を受け止める意味で
これまで以上に重要な位置付けを担ってくると言及。
「コールセンターはビジネスを変える」として講演を締めくくった。
なお、ゲストスピーカーをお引き受けいただいた、
(株)プロシード CMO 畑中伸介氏、および、
ジュピターショップチャンネル(株)執行役員カスタマーケア部長の荒井貴弘氏
のご講演を含む、本セミナーの概要リポートについては、
月刊『アイ・エム・プレス』11月25日発行号に掲載するのでお楽しみに。
最後に、本セミナーへのご来場者の皆様に御礼を申し上げると同時に、
本セミナーで感じたこと、学んだことを、
皆様の会社のコールセンターの現場に活かしていただき、
ビジネスの進化へとつなげていただければ、こんなに嬉しいことはない。
元よりそれこそが、本セミナーの究極の狙いなのだから。