体験会で新製品の魅力を効果的に訴求

ソニーマーケティング(株)

ソニーマーケティング(株)ではデジタル一眼カメラ、およびHDビデオカメラレコーダーの新製品発売に先駆け、お客さまにこれらの製品をいち早く体験してもらう体験会を開催。プロカメラマンによるセミナー・トークショーなどを通じて、一眼カメラ購入検討者などにその魅力を伝えた。

商品発売前の先行体感を通したオピニオンリーダー作りを目的とするイベントを開催

 ソニー(株)グループで、日本国内における、主としてソニー商品のマーケティング・セールスなどの業務を手掛けるソニーマーケティング(株)では、2010年8月下旬~9月上旬、デジタル一眼カメラの新製品「α55」「α33」、およびHDビデオカメラレコーダー“ハンディカム”の新製品「NEX-VG10」の発売に先駆け、お客さまにこれらの製品をいち早く体験してもらう機会として、「α55・α33・NEX-VG10 ユーザー体験会」を開催した。
 「α55」「α33」はソニーが2010年8月24日に発表し、9月10日に販売を開始したデジタル一眼カメラだ。世界で初めて透過ミラーを搭載し、秒間10コマの高速連写や動画撮影中でも作動する高速・高精度なオートフォーカスを実現。TTL(スルーザレンズ)位相差検出方式AF(オートフォーカス)によって、撮影チャンスを瞬時にとらえ、ピントを合わせて高速撮影をすることができる。
 また、動画撮影中にもTTL位相差検出方式AFが作動し、高速・高精度なオートフォーカスの効いたAVCHDフルハイビジョンの動画を撮影できる「クイックAFフルHDムービー」や、100%の視野率を実現した電子ビューファインダー“Tru-Finder”(トゥルーファインダー)の搭載、TTL位相差検出方式AFが常に作動することによる、さらに進化した「クイックAFライブビュー」なども実現しており、従来のデジタル一眼レフカメラとは一線を画すレンズ交換式一眼カメラとなっている。
 2010年8月5日に発表し、9月10日に販売を開始する「NEX-VG10」は、総画素数約1460万画素の“Exmor”(エクスモア)APS HD CMOS センサーを搭載し、独自のEマウントの採用で、用途に合わせたレンズ交換が可能な世界初のレンズ交換式デジタルHDビデオカメラレコーダー“ハンディカム”。
 従来のビデオカメラとは異なる美しいボケ味の映像や、多様な交換レンズの性能を生かしたクリエイティブな映像の撮影が可能であることや、ステレオマイクロホンや豊富なマニュアル撮影機能の搭載により、作品と呼べるレベルの映像作りまで、快適な操作で楽しめるといった特徴を有している。
 このように「α55」「α33」、および「NEX-VG10」は非常に優れた特徴を持つ新製品と言えるが、その魅力を広めていくためには、関与度が高いユーザーに実際に体験してもらい、それを口コミなどで広めてもらうことが有効である。そこで同社デジタルイメージングマーケティング部では、製品発売前に先行して製品を体感してもらうことによりオピニオンリーダーを育成しようと「α55・α33・NEX-VG10 ユーザー体験会」の開催に踏み切った。
 なお、このような体験会は初めて開催したわけではない。例えばデジタル一眼カメラ「NEX-5」「NEX-3」についても、2010年5月のプレス発表後に同様のイベントを開催して好評を博し、その後の好調な販売につなげている。同社にとってデジタル一眼カメラの新製品発表後のセミナー&体感イベントは、導入時の必須の販促施策のひとつになっているとも言えるだろう。

プロカメラマンが実機で撮影した作例・使い方などを含めて魅力を伝える

 「α55・α33・NEX-VG10 ユーザー体験会」は、名古屋、大阪のソニーストア、東京(銀座)のソニービルの3会場で開催。名古屋、大阪は8月28日(土)、29日(日)、東京は9月4日(土)、5日(日)の各2日間の開催とした。
 体験会の内容は、プロカメラマンの馬場信幸氏、その江氏、浜谷修三氏が実機で撮影した作例・使い方などを含めて「α55」「α33」「NEX-VG10」の魅力を伝える30~50分程度のセミナー・トークショーを、大阪・東京会場では1日6回、名古屋会場では1日3回実施するほか、商品ラインナップ展示コーナー、タッチアンドトライコーナーなども設け、参加者が実際の新製品に触れ、体験できるようにするというもの。参加費は無料であり、セミナー・トークショーには各回40名ほどが参加した。
 参加者のターゲットは一眼カメラ購入検討者、および既存の一眼ユーザー。募集についてはWebでの告知、ソニー製品オーナーズクラブ「My Sony Club」会員を対象とするメールマガジンでの案内のほか、ソニー製品を取り扱う家電・カメラ販売店店頭での案内チラシ配布などを実施した。
 集客人数については、「規模を大きくすれば、多くの人に体感してもらえるが、お客さま一人ひとりに対するおもてなしが少なくなる」という認識から適正規模を設定しているが、規模に見合った告知方法のプランニングに苦労したとのことである。

今後も同様の施策を展開して新製品販売のスタートダッシュに寄与

 体験会参加者に実施したアンケートによると、満足度は非常に高いようだ。
 体験会は特にデジタル一眼カメラに高い関心を持つ層に新製品の魅力をいち早く体験してもらい、インフルエンサーとなってもらうことが主目的のひとつであり、新製品の販売促進だけを狙ったものではない。従って、イベント参加者の対象製品購入動向などは追跡調査を行っていないが、My Sony Clubを活用し、ソニー製品購入者へのeメールなどで継続的なコミュニケーションを図っていく方針である。
 なお、前述のように、同社にとってデジタル一眼カメラの新製品発表後のセミナー&体感イベントは、導入時に必須の販促施策のひとつになっており、参加者の評価も高い。従って、今後も新製品に応じて、同様の施策を展開し、新製品販売のスタートダッシュに寄与していく考えだ。
 また、同社ではこのような体験講座のほかにも、ソニー製品の購入者および購入検討者を対象とした、主に初心者向けの「デジタルカメラの基礎」やマクロ撮影や人物撮影の基礎を学べる「テーマ別撮影講座」を、また初級・中級のアマチュアカメラマン向けには、「○○先生と行くおでかけ撮影セミナー」などの有料講座も毎月複数回開催しているが、これらについても継続的に実施していくことで、中長期的なファンづくりにつなげていく意向である。

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9月上旬に実施した「α55・α33・NEX-VG10 ユーザー体験会」には大勢の参加者が詰め掛けた


月刊『アイ・エム・プレス』2010年10月号の記事