USTREAMについて思ったこと

2010年6月7日

Twitterに続けとばかりに、USTREAMがブームとなっている。
これは米国のUSTREAM社が2007年に開始したライブ動画の配信サービス。
Twitterなどのソーシャルメディアとも連携しており、
視聴者が動画を見ながらメッセージを書き込むことで、
配信者と視聴者、あるいは視聴者同士で
リアルタイムなやりとりもできるというスグレモノである。
日本語版サイトは、2010年4月から提供開始された。
日本企業の動きとしては、ソフトバンクが2010年1月に
米国・USTREAM社に約2,000万ドルを出資したのに続き、
5月には、アジアでの事業展開を担う合弁会社の設立を発表している。
またソフトバンクでは、3月に「USTREAMスタジオ 汐留」を開設したのを皮切りに、
その場で撮影したライブ動画がUSTREAMで配信できる
USTREAMスタジオを都内に次々とオープンしつつある。
そして先週からは、TBSが毎週日曜日の夜11:30から、
テレビとUSTREAMとTwitterを連動させた番組「革命×テレビ」をスタート。
コンテンツには賛否両論あるものの、ユニークな取り組みとあって、
Twitter上の「#kakutv」にもさまざまな意見が寄せられている。
私自身は、靴のネット通販で知られる米国・Zappos社のCEOである
トニー・シェイが毎週金曜日に行っている「Happy Hour」を見たのをきっかけに、
USTREAMのライブ感やインタラクティブ性にハマり、
その後もソフトバンクの孫さんとITジャーナリストの佐々木さんによる
「光の道」対談など、いくつかのライブ動画をチェック。
中でも孫さんと佐々木さんの動画では、
対談の中で視聴者からのソーシャルメディアへの書き込みに触れるなど、
視聴者とのインタラクティブなやりとりが印象的だった。
一方、「革命×テレビ」については、毎週、見そびれてしまう。
日曜日の夜とあって、早々に寝てしまったり、
今日こそはと思っても、ついうっかり忘れてしまったりという具合だが、
「また見そびれたな~」と思いつつ、ふと思ったことがある。
というのは、そもそもUSTREAMの醍醐味は、
何と言ってもライブ感とインタラクティブ性にあるので、
仮にその動画が後から視聴できるようになっていたとしても、
そのワクワク感が半減するということだ。
配信されるコンテンツそのものには変わりはないので、
コンテンツ自体が面白いものは面白いに違いないのだが、
やはり、Twitterなどの書き込みを通して体感する他の視聴者の存在が、
その場の雰囲気を盛り上げてくれるところがあるのだろう。
一方で、伝統的なテレビを振り返ってみると、
それがあらかじめ録画されたものかライブかを問わず、
番組を録画して、自分の都合のいい時間帯に見る視聴者も多いだろう。
かつてのビデオテープレコーダーがDVDレコーダーになり、
さらにはハードディスク付きのタイプが登場するなど、
動画コンテンツの保存方法もどんどん進化してきた。
(私自身は、自分の都合がいい時間に放送していた番組しか見ないので、
業務上の必要性以外では録画はしないのだが・・・。)
つまり、コンテンツを何らかのかたちで保存して視聴する方法と、
リアルタイムで視聴する方法、この双方のニーズがあり、
人はケース・バイ・ケースでこれらを使い分けるのだということを
今さらながら、痛感させられた。
これは音楽のライブとCDにしても同様であり、
テキスト情報で言えば、講演会や研修、勉強会などのリアルタイムのイベントと
出版物やネット上のコンテンツの関係に当たるのかもしれない。