Twitterはカクテルパーティ?

2009年5月4日

連休3日目。そろそろ連休明けのことが気になり始める頃では?
連休前には5日間の休みをどう過ごそうとあれこれ考えていても、
いざ蓋を開けてみると、ふだん後回しにしていること、
たとえば従兄弟の出産祝いの手配とか、衣替えとか、
本棚の片付けとかをしていると、あっという間に終わってしまいそう。
いかに日常、生活のことを後回しにしているかを痛感させられる。
そんな中、久しぶりに「Twitter」への書き込みを再開したものの、
相変わらず、私はどうもその世界にうまくなじめない。
いま起きたとか、買い物に出かけたとか、美容院に行ったとか、
掃除をしたとか、肉じゃがを作ったとか、事実ばかりを書いてしまい、
私生活の暴露シリーズのようで、どうにもコツ(?)がつかめないのだ。
(だからまだ本名は使っていません。あしからず。[[pict:wink]])
Twitterはマイクロブログと呼ばれるもののひとつで、
いま、この瞬間にやっていることや、思ったことなどを
ネット上でつぶやく(Twitter)消費者生成メディア。
自分が興味のあるユーザーを「フォロー」することで、
そのユーザーのつぶやきをマイページに表示したり、
他のユーザーのつぶやきにコメントしたりすることもできる。
Twitterは個人が発信するメディアとしてだけではなく、
企業のマーケティング・メディアとしても注目されており、
日本語のインターフェースのものでも、
すでにコンピュータのデルが新製品のお知らせなどにこれを活用しているが、
英語のインターフェースのものでは、すでに多くの企業が
Twitterを通して顧客や見込客との緩い関係性を築いているようだ。
たとえばスポーツ関連の情報サービスを手がけるESPNは、
Twitterを通してスポーツ関連のニュースを頭出しし、
スポーツ情報を提供するWebサイトへの集客を促進。
StarbucksはTwitterを通してキャンペーンや新製品を案内し、
Webサイトへの集客につなげると同時に、来店を促進。
Whole Foodsもキャンペーン情報などを頭出しして、
Webサイトへの集客を図っている。
各社の現時点のフォロー者数は、ESPSが9万5,486人、
Starbucksが16万7,052人、Whole Foodsが56万5,213人で、
このブログを書いている間にもその数が増えていくほどの人気ぶり。
3社の間では最大のフォロアーを誇るWhole Foodsの場合、
すでに2,375ものつぶやきを投稿しているだけに、
フォロアーからのコメントもぎっしり。
中には食品に虫が入っていたといった顧客からのクレームも含まれており、
それに対する返事も書き込まれている。
つまり、Twitterは企業が一方的に発信するだけではなく、
顧客や見込客との緩い関係性を構築し、
双方向のやりとりを可能とするメディアなのだ。
米国の「Chief Marketer」によると、Southwest Airlineでは、
Twitter上で競合のJetBlueについての不満を書き込んでいる顧客を拾い出し、
彼らを対象に便利なフライトについての情報提供などを行うことで、
競合の顧客を奪取することに成功したとのこと。
このケースでは航空運賃を徴収する方法は採られなかったが、
口コミの醸成やブランド価値の向上を図ると同時に、
社内のソーシャルメディアへの理解を深めることにつながったという。
このほか、Twitter上で自分が勤める会社への不満をぶちまけている
社員に対して注意を促す返事を書き込む企業もあるという。
これらのTwitterの活用事例を紹介した上で、「Chief Marketer」では、
いまや(ネット上での)匿名性は失われてきていることから、
個人も企業も、オンラインにおける自分たちの存在を、
自らの言葉が無期限に残ることを見込んで管理しなくてはならない。
誰があなたのつぶやきを聞いているのか、誰が誰の友人なのかを知らないままに、
複数企業の参加によるカクテルパーティに参加しているようなもので、
つまりは、個人は個人として、あるいは企業は企業として、
ありのままに存在することが重要だと説く。
さらに「Chief Marketer」では、まだTwitterに参加していない企業は、
まずはモニターすることでトレンドを知ることが重要であり、
多くの企業にとっては現時点ではそれで十分かもしれないとしたうえで
実際に利用するに当たっての留意点として以下の3点を挙げている。
①企業がスポンサードしていることを明らかにするのか
②何らかのパーソナリティを立てるのか
③積極的に見込客を獲得するのか、それともPRの域にとどめるのか
私自身は個人的なつぶやきさえも、いまひとつコツが掴めない中、
なんだか大変なことになってきたなというのが正直な感想。
興味深いトレンドといえばその通りだが、
Twitterを始めたら最後、その会社のマーケティング担当者には、
ゴールデンウィークもなくなるんだろうな~。