DMWとPCC、2つの勉強会に参加

2009年1月24日

今週は、木曜日にDirect Marketing Workshop(DMW)、
金曜日にPersonal Communication Creators(PCC)と、
ダイレクトマーケティング関係の2つの勉強会に参加した。
DMWでは、ウィトンアクトン社 代表取締役のルディー和子さんによる
「『恐慌』の時代に成功したマーケティング戦略」と題した講演を拝聴。
PCCでは、日本ダイレクトマーケティング学会や
日本ダイレクト・メール協会の理事を担うと同時に、
PCCチェアマンである藤田浩二さんによる
「Being Direct 25 years 新春寄せ鍋的独り言」と題した講演を拝聴。
両講師ともが日本のダイレクトマーケティング界の大御所であると同時に、
月刊『アイ・エム・プレス』のコメンテーターでもある。
すごいでしょう? 月刊『アイ・エム・プレス』 [[pict:wink]]
DMWでのルディー和子さんの講演の概要については、
ルディーさんのブログに掲載されているが、
中でも私が印象に残ったのは、以下の2点。
1点目は、消費や消費者が二極化していることを踏まえて、
すべての製品・サービスを低価格化するのではなく、
高価格~低価格の選択肢を提示することが重要ということ。
2点目は、人々の間に不安感が立ち込める昨今においては、
消費者がお金を使うことを正当化してあげることが重要ということ。
B to Cをイメージした話ではあったが、
B to Bにおいても受け手が人間である以上は同様の傾向にあるそうなので、
弊社の2009年のマーケティング施策においても、
これらのポイントを意識していこうと思った。
PCCでの藤田さんの講演は、まずはダイレクトマーケティングの
創成期と今日の状況を比較。1980年代のクロスメディア事例を見せつつ、
今日においても、その本質に変わりがないことを示唆。
続いて、インターネットの普及に伴う消費行動モデルの変化、
および、ダイレクト消費行動モデルであるAIDAを紹介した上で、
ダイレクトマーケティングの基本をおさらい。
さらに、ニューラル・マーケティングの観点から広告制作技術に触れた上で、
ダイレクトとブランドの関係に言及。
ダイレクトマーケティングは死んだのではなく、
ビジネス手法として根付いたのであるとして講演を締めくくった。
藤田さんには、事前の了解なく弊誌に載せないお約束をしているのだが、
このぐらいなら構成だけだから許していただけるだろう。[[pict:wink]]
そして、講演前には、色々な要素をごちゃまぜにしているから「寄せ鍋」と、
自らの講演内容について自嘲気味に語っておられたが、
こうして講演内容を振り返ってみると、
まずはだしを整えて、魚や肉や野菜などの具をぶち込み、
最後にご飯を入れて雑炊にするかのように、
寄せ鍋のストーリーがきちんと整っているのはさすが。
藤田さんの講演の中で最も印象に残ったのは、
前述のダイレクトとブランドの関係のところで披露された、
人的な顧客接触がブランド形成上、最も有効であるというお話。
これは1生活者として考えれば、良くも悪くも容易に理解できる。
不愉快な店員がいる店には二度と行きたくないし、
不愉快な対応をされるコールセンターには
なるべく電話をかけたくないという後者(悪い方)を想像したほうが
理解しやすいのは人間の性なのか、それとも悲しい現実か。
ところで、私がこの点が印象に残った背景には、
友人が最近、基礎化粧品のブランドスイッチをしたことをめぐる考察がある。
彼女がブランドスイッチした先(対象)はF社のAという商品なのだが、
20年以上前、彼女はF社の仕事を請け負った経験があり、
その時のF社の担当者がとても尊敬できる方だったという話を、
耳にタコができるほど聞いている私としては、
彼女が類似のコンセプトの競合製品からこれにスイッチしたのは、
過去の経験を通して、彼女がF社に高いブランドイメージを
持っていたからではないかと密かに考察していたのだ。[[pict:wink]]
F社は最近になって化粧品の通信販売に参入したメーカーなのだが、
このように考えると、私たちの一挙一動が、
自分たちの会社のブランドを規定していることになる。
2009年がはじまってもうすぐ1ヶ月。
今年はなんだかずるずると始まってしまった感があるが、
ここでもう一度、気持ちを引き締めていこう![[pict:hi]]