2026年10月1日
今回の旅行で、個人的にいちばん「どうしよう!?」と思ったのは、手指に火傷を負ったことでした。マドリードからセビリアに向かった朝のこと。コーヒーを飲む余裕がなかったので、同行の親戚が駅構内のコーヒーショップの前を通る度に、私を気遣って、コーヒーを飲むかと聞くので、では・・・と単身、コーヒーショップに入りました(親戚は朝にはコーヒーを飲まないのです)。
店内は長蛇の列で待つこと約15分。ようやく私の番になりアメリカンを注文すると、二重にした紙コップに、これ以上無理というほどに並々と注がれた熱々のコーヒーが供されました。紙コップの周りには紙ナプキンが巻かれています。その瞬間、これを持ち運ぶのは危ないかもと思ったものの、ひとまずは無理やり蓋を閉め、紙コップとスーツケースを手に、私を待つ親戚の元に向かいました。その時点では、並々と注がれたコーヒーをその場で少し飲めば、何とかなると思っていたのです。
ところが親戚は、私がコーヒーを持って歩き始めたのを確認するや、プラットフォームに向かって急ぎ足で歩き始めました。私のキップは彼女が持っているし、2人の間隔は声を掛けるには開きすぎているしで、私は彼女を追いかける以外に手立てがありません。必死の構えで100mも歩いたでしょうか。その間、私は水飲み場でもあればコーヒーを少し捨てようと思ったのですがそんなものがあるわけもなく、しかも熱々のコーヒーは、紙コップと蓋の間から少しずつ溢れ出し、周りに巻いた紙ナプキンがメチャ熱くなってきました。
しかし親戚は、私が付いてきていることを確認すると、前方にあるプラットフォームに降りるエスカレーター状の「動く斜面」にサッサと乗ってしまいました。やむなくその動く斜面に乗った私は、プラットフォームまで持ちこたえることができず、その場で熱々のコーヒーをぶちまけ、火傷をしてしまったのです(マドリードの駅員さん、ごめんなさい)。
私がコーヒーをぶちまけた、エスカレーター状の“動く斜面”
紙コップを拾い、コーヒーまみれのスーツケースを拭きながらプラットフォームに辿り着いた時には、私の左手指はすっかり赤くなっており、水ぶくれでスーツケースが持てなくなるのでは? と不安になりました。既に到着していた列車に乗るやトイレに直行し、手洗い用の水を掛けてはみたのですが、生ぬるい水がチョロチョロ出てくるだけ。そこで食堂車に向かい、またもや列に並んで、オレンジジュースをオーダーしつつ、火傷をしたことを伝えて氷をもらいました。その場でジュースを飲み干し、席に戻って手指を冷やしていたのですが、氷は溶けてなくなっても患部の赤味は取れません。そこで再度、食堂車に行って今度は念願のコーヒーをオーダーして氷を4個もらったところ、ちょうどこれがなくなる頃、降車駅に到着しました。
患部の赤味は引く気配もなく、これは水ぶくれになると思ったことから、ホテルに荷物を預けた後に薬局に。火傷をしたと言って患部を見せると、薬剤師のようなお姉さんが、「専用の強力なタイプ」と「マイルドだけど汎用性があるタイプ」の2種類の塗り薬を出して来てくれました。欧州の市販薬は、そもそも日本の市販薬より強いことが多いので、強力な薬を選ぶのには抵抗がありましたが、とにかく水ぶくれになっては困るという一心で前者を選択。その場でパッケージを空けてみると、それはスプレー状の軟膏で、日本では見かけたことがないタイプでした。
日本ではお目に掛かったことのないスプレー状の火傷の軟膏は、効き目抜群だった
薬局のお姉さんに言われた通り、1日に4回、患部に塗ってみたところ、翌日にはほぼ治っている感じ。水ぶくれになることもなければ、スーツケースの持ち運びに支障が生じるようなこともありませんでした。スペインの火傷の薬、最強!! そして、それから25日が経過した今日(7月12日)、患部の皮がペロリと剥けました。なんだか旅が過去のものになったみたいで、少し寂しい気もしますが、ともかく大事に至らなくて良かったです。
これは後から思い出したのですが、前回、パリを訪れた時には、パリの高級百貨店のグルメ売り場にあった商品のパッケージで指を切ってその場で流血し、案内係のお姉さんにもらったセロテープをティッシュの上からぐるぐる巻きにして止血。前々回は、薄暗い中で親戚が勤めていた小学校の階段を踏み外し、捻挫気味に。旅先では病にはならずとも、ちょっとした怪我をしがちな私なのでした。
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