2025年には80歳女性の50%超がネット・ユーザー?

2013年2月24日

月刊『アイ・エム・プレス』は毎月25日が発行日なので、
明日の2月25日には、2013年3月号が発行される。

3月号の特集テーマは「好機あり! シニア・マーケット攻略法」。
月刊『アイ・エム・プレス』が1995年に創刊して以来、
都合3回目のシニア・マーケット特集となる。
折りしも2013年は、かねてより取りざたされていた
“4人に1人が高齢者の時代”の到来が確実視されており、
日本の高齢化率は2013年:25%、2025年:30%、2055年:40%と、
世界各国の中でも最速で高齢化が進むものと見られている。
また、1,500兆円と言われる個人金融資産の約6割は
60歳以上の層が保有していると言われていることから、
シニア・マーケットは国内市場の中で量と質の両面で、
最も注目すべきマーケットと言える。
こうした中、すでに多くの企業がシニア・マーケットに乗り出しているが、
その成功企業は限られている。
そこで今回の特集では、
1.本特集取材スタッフのブレストに基づく総論、
2.シニア・マーケット攻略に成功している4社のケーススタディ、
3.シニア・マーケットの研究に長年にわたり携わっておられる
村田アソシエイツ代表/東北大学特任教授の村田裕之さんへのインタビュー
の3つのアプローチから、シニア・マーケットの攻略法に迫った。
ケーススタディでは、下記の4社を取り上げた。
①巣鴨地蔵通り商店街振興組合
 —定期的なイベントの開催などでたゆまぬ活性化を図る“おばあちゃんの原宿”
②第一興商
—介護の現場で利用してもらう多機能型の通信カラオケを開発し1万件の導入実績
③東急スポーツオアシス
—「健康づくり教室」を新規獲得の起爆剤としてシニア層を優良顧客に
④ベターホーム協会
 —シニア男性に料理教室が人気 実践を通じて独自のノウハウ培う
今回の特集では、シニア層を意識した商品・サービス開発と合わせて、
特にマーケティング・コミュニケーション戦略にフォーカスにしているが、
中でも気になるのは、シニア層へのネットの普及。
この点について、インタビューにご協力いただいた村田さんは、
次のように述べておられる。
「私の推計による2025年の女性人口構成では、80歳女性の場合、
約3分の1が要介護者ですが、ネット利用率は50%を越えています。
2025年の80歳の人は、多少足が不自由になって外出が不便になっても、
多くの人はネットで買い物ができるのです。」
そして、彼らがネットにアクセスする端末として注目されるのが
タブレット端末であり、合わせてネットではわからない部分を補う
コールセンターの役割も重要になってくるという。
インタビュー時には、ネット利用率50%という数字に驚かされたが、
冷静に考えてみると、2025年に80歳を迎える女性は、現在は68歳前後。
このように考えてみると、あながちありえない話ではないだろう。
社会の高齢化がますます進行する中で、
シニアにとって快適な顧客接点をいかに設計するか、
さらには、そこでシニアの視点に立った
コミュニケーションを展開できる人材を養成することは、
今を生きる企業の重要な課題だ。
シニア・マーケットを狙う企業はもちろん、
若年層向けのビジネスを展開している企業においても、
個々の顧客の違いを見極め、それぞれに最適な対応を積み重ねていくことが、
本格的な高齢社会への備えになるのではないだろうか。
このほか、月刊『アイ・エム・プレス』2013年3月号からは、
日本テラデータ マーケティング統括部 製品マーケティング&マネジメント部 
スペシャリストの山本泰史さんによる新連載
「ビッグデータ時代の顧客データ活用—収集、統合、分析、行動」がスタートした。
第1回のテーマは、なんと「さよなら、ビッグデータ」である。
コールセンター、ソーシャルメディア、Eコマース、CRMなどにかかわる連載や
生活者調査結果「生活者に聞く」の詳細は、こちらから。