次世代Web研究部会

2008年7月29日

ダイレクトマーケティングにかかわる研究会といえば、
20年以上前から関与している草の根勉強会、
ダイレクトマーケティング・ワークショップをはじめ、
日本ダイレクトマーケティング学会のいくつかの研究部会にも顔を出している私だが、
今年度からはなぜか、同学会の「次世代Web研究部会」の幹事役を仰せつかった。
学会の研究部会の幹事だなんて、ガラじゃないなと思いつつも、
Webマーケティングのユーザー側の企業を講師に招いた部会を企画、
昨日、20名近い参加者を得て、何とか無事、終了した。
今回の講師は、久米繊維工業(株)代表取締役の久米信行さん。
テーマは、「Tシャツに込める想いをインターネットに託す
—久米繊維工業におけるEコマースへの挑戦」。
まずは司会・進行役の私が講師を紹介、1時間半ほどお話をいただいた後、
同研究部会部会長である同志社女子大学
情報メディア学科 教授 中島純一氏からコメントをいただいた。
私自身は、とにかく学会での経験が浅く(学生時代、勉強もしなかったし)、
頭の中に「学会かくあるべし」というイメージが存在しないため、
なんだかカジュアルな運営をしてしまったが、あれでよかったのか?
昨日の参加者の中でこのブログをご覧になった方がいらっしゃったら、
どしどしご意見を書き込んでくださいね。
さて、久米さんに講演をお願いしたのは、
月刊『アイ・エム・プレス』ライブに続いて今回が2回目。
前回のお話のテーマは「ブランディングに寄与するCSR展開の秘訣
SEO(検索エンジン最適化)からSMO(ソーシャルメディア最適化)へ」

だったのだが、今回は久米繊維工業のケーススタディをとお願いした。
双方を聴いて思ったのは、How to的な講演でも、
ケーススタディ仕立てにしようとも、(当たり前かもしれないが)
久米さんの主張は一貫しているなということ。
さらに、その主張の最強の体現者はほかならぬ久米さんであり、
昨日のような講演や各種メディアへの連載を通して、
また、自ら手がけておられるメルマガや3つのブログを通して、
これを実践されているのだということを痛感した。
では、その主張とは何か。久米さんは昨日の講演の冒頭で、
演題の「Tシャツに込める想いをインターネットに託す」について、
“本当は命を託したんですけどね”と笑って説明されていたが、
それはあながち“真っ赤な嘘”というわけではないだろう。
しかし、古くからTシャツの製造・販売を手がけてきた同社が今日に至るまで、
難題をひとつひとつクリアしながらたどり着いたのは、
昨日のパワポの冒頭に“はじめに一番お伝えしたいこと”として掲げられていた、
“お客様でも記者でもブロガーでも最後は1対1のおつきあい”の一言であり、
それこそが久米さんの主張なのではないかと思った。
昨日の講演では、久米さんの十八番のブログの話はもちろん、
動画によるマーケティング・コミュニケーションの話なども交えて、
本研究部会の名称に冠した“次世代Web”を駆使した
さまざまな取り組みをご紹介いただいたのだが、
久米さんは、どんなに技術が進化しようとも
根本にあるのはこの一言だということを、
講演内容を通してはもちろん、
ホスピタリティに富んだ講演という行為そのものを通して、
自ら体現されているのではないだろうか。
講師の久米さんと、研究部会に参加した1人1人とのおつきあいは、
講演が始まった時から、すでにスタートしているのである。