ファッション関係のネット通販の利用に思う

2009年1月31日

インプレスが主催するWebサイト「Web担当者Forum」上で、
日本ダイレクトマーケティング学会の方々による連載が始まった。
タイトルは、 「身近なトピックで知るダイレクトマーケティング」
所長のKとスタッフのSがダイレクトマーケティングにかかわる
身近な話題を取り上げ、カジュアルに語り合うスタイルになっている。
第一回のテーマは、「ネット通販って、利用者も企業も幸せにするの?」。
スタッフSの実際のある1ヵ月の支出をベースに、
ネット通販の利用動機や満足度、キャンペーンなどについて、
Sは1生活者の視点から、Kは専門家の立場から語り合っている。
第一回を読んで思ったのは、ひとつはお二人ともよく存じ上げているだけに
(所長のKに至っては、もうかれこれ25年くらいのお付き合いかも)、
ご本人たちをイメージしてしまい、気恥ずかしい感じがするということ。[[pict:meromero2]]
そしてもうひとつは、ファッション関係だけで月に6万円の支出をし、
かつその半分近くがネット通販というスタッフSの消費行動に驚かされた。[[pict:bikkuri]]
まあ、これは特定の1ヵ月を採ってのことなので、
毎月、ファッション関係に6万円を支出しているわけではないだろうが、
それにしても“アラサー”を自称するスタッフSと、
今週、お誕生日を迎えて“アラマー”になってしまった私では、[[pict:hekomi]]
購買行動が大きく異なることを改めて目の当たりにした気がした。
※アラマー=あら、まあ
おまけに私は、本や食品や各種サービスこそネットで買うものの、
ファッション関係のネット通販などはついぞ利用したことがない。
こんな仕事をしているのに怠慢だと言われれば、
返す言葉もないのが正直なところなのである。[[pict:hekomi]]
そういえば最近では、ファッションのカタログ通販も利用していない。 
そこで逆に、なんで私はネット通販を利用しないのかを考えてみると、
はっきり言って時間がないし、面倒くさいのだ。[[pict:wink]]
K所長には、店に行くより時間がかからないと反論されそうだが、
私は年に2回ぐらい、なるべくならバーゲンの時に百貨店に出向き、
それぞれの季節の商品をドカンとまとめ買いする。
それも、店をウロウロして何を買うかを考えるのではなく、
例えば「スーツ2着とそれに合うインナー2~3点」などと、
あらかじめ必要な商品と目標買い物時間を決めて、
いかに短時間に必要なものが購入できるかの闘いに挑むのだ。
過去に時間のない中、店内を走り回って、15分間でコートを購入したのは、
私の買い物歴の中でも自慢のネタだ。[[pict:niko]]
つまり、私にとって大切なのは、短時間のうちに必要な買い物を終えることと、
購入した商品が一定の満足レベルに達していること。
仮にその百貨店に気に入った商品がない時は、
それなりの商品で妥協するか、あるいは購入を断念するか。
間違っても別の店にまで足を伸ばしたりはしない。[[pict:soppo]]
そんなことをしたら、目標時間をクリアすることができなくなるからだ。
というわけで、私のファッション関係の買い物時間は、年に6~8時間ぐらい。
カジュアルウェアは近所の専門店で購入するので上記に含まれていないものの、
このくらいの時間であれば、同様の商品をネットであれこれ探して、
申し込みフォームに記入して、商品を受け取って、気に入らなければ
返品・交換して・・・という一連のプロセスよりも効率的なのでは?
スタッフSの買い物時間は、果たしてどのぐらいなのだろうか。
それでもK所長は納得せず、次のように言うかもしれない。
君はネット上に広がる無数の商品との出会いを放棄しているとか、
他のユーザーの情報から得られる買い物のヒントに目をつぶっている云々。
確かに私のファッション関係の購買行動からは、スタッフSのように
ネットで新たな商品を発見する楽しみは失われているのかもしれないが、
そうした時間がないと言うと偉そうだが、言い方を変えれば、
誰にも平等に与えられた時間を別のことに振り向けたいと考えているのだ。
こうして考えてみると、私のファッションの購買プロセスには、
電通が提唱するネット時代の購買プロセスである
AISAS(Attention、Interest、Search、Action、Share)のうち、
少なくともひとつ目のAとIとひとつ目のSが抜けている。
自分のクローゼットの中と自分の生活のみを見据えており、
あとはひたすら、“買い場”である店頭が勝負なのだ。
生活者としては異端児である私の購買行動なんて、
マーケティングの参考にはならないだろうが、
K所長とスタッフSのダイレクトマーケティング談義はまだまだ続く。
ご興味のある方は、ぜひこちらをご覧ください。