ブランド強化を狙いテレプロモーションを展開「ダブルでリッチ キャンペーン」

 (株) リョーユーパン

戦略商品の“ブランド化”が狙い

 福岡県に本社を構える(株)リョーユーパンは、九州、山口県、島根県、鳥取県で高い販売シェアを持つ老舗のパン・メーカー。同社では戦略商品の再認知、店頭でのブランド・スイッチの促進を目的に、インタラクティブ・テレプロモーションを組みこんだマストバイ・キャンペーンを今年 4 月 1 日から 5 月 31 日まで実施した。
 同社では以前、毎年のように、購入者に店頭で食器などをプレゼントするサイドパック・キャンペーンを行ってきたが、効果が明確に測定できないなどの理由で5年前からキャンペーンの展開を控えていた。今回のテレプロモーションは(株)ピー・アンド・アール(福岡市中央区)の「NET24」を利用しており、いつ、どの地域から、何件のアクセスがあったかを正確に把握することができる。
 対象商品は「超美撰(ちょうめいせん)」「ホテル食パン」の食パン 2 種と、「ちぎりバターロール」「ホテルバターロール」のバターロール 2 種の、合わせて 4 種。単価は 170 ? 200 円。期間中に出荷された対象商品、約 300 万個に多層の「チャンスシール」を貼付。これには表側にテレプロモーションの受付電話番号、中面には購買証明になる商品ごとのユニークな番号が印刷されている。
 キャンペーンにはダブル・チャンスが用意されている。テレプロモーションで「ロイヤルアルバート カップ&ソーサーセット」が 500 人に当たり、これにはずれても「チャンスシール」を 25 枚集めて送ると抽選で 30 人に 6 日間のハワイ旅行が当たる。
 テレプロモーションは自動音声応答装置により、期間中、24時間体制で受け付け。年齢、性別、郵便番号、シールに付いている番号を電話機のプッシュボタン操作により入力した後、音声ガイダンスにしたがってゲームにチャレンジ。その場で当落がわかるインスタント・ウィンの方式で、当選者にのみ住所、氏名、電話番号を入力してもらう仕組み。ハワイ旅行プレゼントの応募方法は、応募専用ハガキ、または官製ハガキに「チャンスシール」を貼り、氏名、住所、電話番号、年齢、性別を記入して送付する。

ダブルでリッチキャンペーン

店頭で配布したチラシと応募用紙

応募データを営業情報として活用

 キャンペーンの告知はテレビ CM で流したテロップと、商品に貼った「チャンスシール」、店頭の陳列棚に設置した POP、応募専用ハガキ、およびチラシで行った。
 テレプロモーションへのアクセス状況はリアルタイムで集計され、翌日には同社にフィードバックされる。同社ではこれを即、営業情報として活用した。たとえば、応募の少ない地域の店舗に対して、「チラシの置き方をこういうふうに工夫したほうが、売り上げが上がりますよ」と応募の多い地域の店舗の陳列方法をアドバイスするといった具合だ。
 期間中の応募総数は、テレプロモーションが 60 万件以上、郵送によるハワイ旅行プレゼントが約 5,000 件。応募者の約 70%が 20 ~ 30 代の既婚女性であったという。期間中、対象の 4 商品の売り上げはキャンペーン実施前より 20%以上伸び、終了後はやや減少したが、実施前より高い水準で推移していた。
 期待通りの成果が上がったため、同社では今後別の商品や、新製品発売の際などにもテレプロモーションを活用していきたい考えだ。


月刊『アイ・エム・プレス』1997年8月号の記事