Web2.0についてのブレスト

2006年7月1日

友人に言われて気がついたが、ブログを2日間、休んだらしい。
2日前の6月28日のブログを書き終わったときには、
もう時計の針が0時を回って29日になっていたので、
こちらはそんなに書かなかった気はしないのだが・・・。
まあ、いずれにしてもこのところ、
ブログに書けないようなことでバタバタしていたのも事実である。
先週、いや先々週のことだったか、
このブログでも何度か紹介したことがある、
二十数年来継続している勉強会、DMWの会合があった。
※DMW=ダイレクトマーケティングワークショップ
6月の会合は会員限定参加だったので参加者は限られていたが、
以前にここでも取り上げた「Web進化論」をテキストに、
数人の仲間が集まって、議論に花を咲かせた。
DMWのメンバーは、昔からダイレクトマーケティングに
かかわっていた人間が中心なので、
いまどきの、Web2.0系の方々とはかなりカルチャーが違うのだが、
そんなメンバーにより交わされた議論は、主に以下の2点。
一点目は、ロングテールの(販売コストが安い)時代になろうとも、
物流などのリアルな部分は伴うし、イレギュラー対応も求められる。
そして、それらアナログの部分が重要なのだということ。
これは逆に言えば、現在のネット系の企業は、
ともすると従業員に労働集約的な環境での業務を強いたり、
リアル部分の対応を高コストでアウトソーシングしがちで、
意外に無理・無駄が多いのではないかという指摘でもある。
これはWeb2.0かどうかはともかく、
多くのネット系企業に共通して言えることだと思うが、
Web2.0になればなるほど品揃えが増加しがちとすれば、
物流やコールセンターなどの人手によるサービスコストは
増加する一方であり、これをどう効率化するかは
抜き差しならない課題になってくるだろう。
この点については、この議論を持ちかけたDMWのメンバーのように、
通信販売を初めとするダイレクトマーケティングの経験を
長年に渡り積み重ねてきた人々の知恵をもっと学ぶべきだと思う。
逆に彼らがWeb2.0系の人々から学ぶところもあるだろうし、
新・旧のダイレクトマーケティングの世界の融合が必要と思うが、
これが現状は向こうとこっちに分断されているかに見える。
二点目は、「総表現社会」についての議論。
私自身は出版というコンテンツビジネスに携っているだけに、
このテーマには非常に興味があるのだが、
先日のDMWでの話題は、コンテンツビジネスの話というよりも、
バズ(口コミ)マーケティングに寄った話であった。
すなわち、Web2.0の時代が総表現社会だとしても、
商品の実力とブランドの口コミには落差が生じるということだ。
この点については、①やはり大切なのは商品力だという意見と、
②まず企業が自らの主張を発信し、それに対する口コミに基づき、
修正を加えていくことが大切という意見に分かれた。
①はメーカー出身コンサル、②は通販マーケターが唱えた意見だが、
これはWeb2.0ならずとも、いつの時代も尽きない議論である。
私自身は、いわば②をテーマとする月刊「アイ・エム・プレス」
発行しているだけに、限りなく②の推進派ではあるが、
一方では出版社=コンテンツのメーカーでもあるわけで、
自分の中に双方を内包し、時と場合で使い分けているのかもしれない。