VOC

2006年8月7日

皆様は、VOCとは何の略だかご存じだろうか?
そう。Voice of Customer(お客様の声)の略である。
最近、コールセンターの世界で、このVOCの活用が注目されている。
このことは以前、このブログで「コールセンター年鑑 2006」を
紹介した時にも触れたが、このところ日本経済新聞でさえも
同様の記事が目立つようになってきた。
特に2006年8月6日付けの日経朝刊には、
関連記事が3本も掲載されており、思わず目を疑った。
まずは1面の「消費をつかむ 第3部 売り手の新発想 3」では、
「売ってからが商売 新規客より馴染みの苦言」と題して、
NECパーソナルプロダクツのアフターサービス強化の事例や、
美容サロン「アンジュ」の顧客不満足度調査の事例、
弊誌でも何度か取材させていただいた「でんかのヤマグチ」、
紳士服のAOKIホールディングスの事例などを掲載。
そして3面では、「苦情・相談が急増 4-6月、金融庁に1万4,000件
貸金業:職場に取り立て 保険:未払い・説明不足
銀行:商品販売に問題」と題して、
2006年度第一四半期に金融庁に寄せられた金融機関への苦情・相談が
1万4,000件と、前年同期の1.4倍に達していること、
さらには、金融機関において顧客の声活用の専門部署設立の
動きが加速していることを報じている。
そして3つ目が、5面に掲載されている「ランキングが語る消費 3」。
「弱みを強みに転換 苦情を“購入”ヒットを生む」と題して、
衣料品通信販売の日本ランズエンドが始めた「楽替」サービス
(商品の交換が簡単にできるサービス)や、
日本通信販売協会に寄せられた通信販売に対する苦情に加えて、
福井商工会議所がネット上で始めた「苦情・クレーム博覧会」
のことなどが紹介されている(が、日経にしては珍しく、
なにやら滅茶苦茶分かりにくい記事だ)。
弊誌が創刊以来主張し続けている顧客主導型経営が、
まさに机上の空論ではなく、形を伴ってきたと言えるだろう。
が、それにつけても、またもやVOCという三文字熟語が登場。
「それって何?」とか、「(三文字熟語は)いい加減にしろ!」
という声が、あちこちから聞こえてきそうだ。
米国から入ってきたマーケティングコンセプトなどは
カタカナになったり、三文字熟語の略称が登場するのも止むを得ないが、
VOCはお客様の声とか、顧客の声で充分伝わるんじゃないかと思う。