mixi年賀状に思う

2009年1月1日

あけましておめでとうございます。
いつも「通勤電車」にお立ち寄りくださり、
どうもありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
お正月といえば年賀状。
大晦日のTVでは、今年は国民一人当たりの年賀状差出通数が
5通ぐらい減少する見込みと言っていた気がするが、
元日のTVでは、年賀状の配達通数が前年より伸びたと言っていた。
これは法人の差出通数が伸びたということなのだろうか。
さて、皆さんは、mixiが日本郵便とのタイアップにより、
今年から開始したmixi年賀状をご存じだろうか?
これはmixi上で友人登録したマイミクや、
コミュニティのメンバーに、年賀状が送れるというサービス。
暮れにmixiからこの受取確認の連絡が入ったのを受けて、
あらかじめ受取手続きを済ませておいたところ、
元日の今日、そのmixi年賀状なるものが届けられた。
官製の年賀ハガキを用いたそれは、
見た目は普通の年賀状となんら変わりはなく、
違うのは宛名面の下部に整理番号らしきものが入っているぐらい。
なんでも400種類以上の中から好みのデザインを選べるということなので、
市販の年賀状用ソフト並み? あるいはそれ以上なのかもしれない。
しかし、このmixi年賀状。私にはどうも解せないところがある。
ひとつは、ネットならではの匿名性の高い人間関係をベースとしているだけに、
差出人にとっては自分の氏名や住所を表示しなくても年賀状が送れる、
受取人にとっては差出人に氏名や住所を開示せずに年賀状が受け取れるという
従来の年賀状の常識から掛け離れたことを“売り”にしているところ。
お互いに住所も教えたくない相手と、年賀状のやりとりがしたいだろうか?
また、今や1,500万人超の会員を保有し、
会員の紹介ありきのクローズド路線からオープン路線へとシフトするmixiが、
バーチャルの世界から住所と紐付けられたリアルの世界に進出し、
日本中の人間関係を把握しようというのかと思うと、
なんだか空恐ろしいような気がするのも正直なところ。
ちなみに、私にこのmixi年賀状を送ってくれたのは、
自宅にも遊びに来たことがあるリアルの友人である。
従って、彼女に住所を開示するのはいっこうに構わないのだが、
受取手続き時に住所を入力するに当たっては、
mixiに住所まで知られてしまうのが恐ろしい気がした。
しかも、友人である差出人には住所は知らされず、
mixiだけがこれを把握するというのは、
人間同士のコミュニケーションの有り様がどこかねじれていないか?
このmixi年賀状。コミュニティでも主宰していれば、
住所は知らなくても年賀状を出そうという気持ちはわからなくはない。
また、これを年賀状を購入する、印刷する、ポストに投函する、
といった一連のプロセスを代行してくれるASPサービスと捉えれば、
それなりに便利なサービスではあるのかもしれない。
しかし、そのうちラブレターまで、お互いの住所を知らせずに
やりとりされるようになるのかと恐ろしくなるのは、
果たして、私の頭が古いからなのだろうか?