DM特集の総論会議

2006年12月21日

2月号の月刊「アイ・エム・プレス」の特集は、DMの活用法。
ケーススタディと専門家の座談会、米・DMAのエコー賞に関するリポート、
そして編集部による総論が掲載される。
昨日は、本特集の総論の構成に関するブレストを行った。
参加者は私と編集スタッフ3名、ライター1名。
前述した特集の各要素の取材・編集作業から得られた情報を共有すると同時に、
今回の特集の焦点である、以下の4点を軸に、
各自の知識と経験を交えて総論の方向性をディスカッションした。
1.紙DM VS eDM
広告主の中には、低コスト、個人情報を必ずしも必要としないなどから、
紙DM→eDMにシフトする傾向も見られるが、
一方で、デジタル社会の中で紙ならではのぬくもりが評価され、
ネット専業企業の中には、紙DMに回帰する企業も。
新規顧客には紙DMでアプローチする一方、既存顧客にはメルマガを送信する、
上得意客には紙DMを送付する一方、一般顧客にはeDMを送付するなど、
双方を戦略的に使い分ける企業も登場している。
2.バリアブル印刷によるOne to One DM
クレジットカード会社の利用代金明細書の広告スペースへの適用は、
かなり普及してきた。今回の特集ではOMCのケーススタディを取り上げたが、
最近ではカード会社に限らず、一般の広告主の中にも
この手のDMを活用する企業が増加している。
ちなみに今回の座談会では、昨年の日本DM大賞受賞作品の
広告会社側のプランナーにご登場いただき、
制作のプロセスをご紹介いただいた。
3.無宛名郵便物の登場
今やDMの送付手段は、郵便に限らず、民間のポスティングが一般化しているが、
そうした中で日本郵政公社が発売した無宛名郵便物、
タウンメールプラスが注目されている。
通常のDMに比べてコストが安く、個人情報が不要であることに加え、
管理の行き届いたマンションや、住民票を移していない学生のアパートなどにも
隈なく配達されるのがメリット。
最近では、市販のデータや顧客データを組み合わせたエリア分析により、
各社のターゲットに応じて配布地域を絞り込むサービスも登場している。
4.DM発信先のセグメンテーションの精緻化
最近ではヘビーユーザーにおける顧客分析の精緻化が進む一方、
ポイントカードの導入が進む店舗小売業においても、
購買履歴に応じたDM送付が一般化している。
昨日は、以上の4点についての議論の後、まとめの方向性について話し合った。
まとめの方向性は、DMの投資対効果向上への希求が高まる一方で、
経験価値の提供という点からもDMへの注目が高まっている。
こうした傾向は、ブランディングの推進もさることながら、
eDMの大量・高頻度の配信などにともなう
リストの疲弊対策という点からも加速しているものと思われる。
また今後は、日本では立ち遅れているB to BにおけるDMの利用、
ネット専業企業におけるDMの利用が加速するものと見られる。
まだ内容がブラッシュアップされていないが、
ざっとこんな方向になる予定である。
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