I.M.pressクロージング・カウントダウン 第5回 連載の終わりに

※今回の記事はカウントダウンの最終日、すなわち清算結了登記前日の2022年12月22日に執筆したものですが、臨場感を維持するため、あえて「今日」「明日」といった表現を変更せず、当時のままに掲載させていただきます。

いよいよ明日23日のクリスマスイブの前日に(株)アイ・エム・プレスはこの世から消えてなくなります。会社を解散することを元社員に伝えたときに、転職リピーターである社員の1人が、「アイ・エム・プレスは僕の履歴書にいつまでも残り続けます」というメッセージを返信してくれて、思わず目頭が熱くなったことがありましたが、当社は明日からは私の、そして皆さまの記憶の中の存在になります。

実際問題、「インタラクティブ・マーケティングまとめサイト」は最近、これまでにインタビューさせていただいたり、原稿をご執筆いただいたりした方々に纏わる記憶を辿るお手伝いをさせていただくようになりました。何人かの方はすでに亡くなっているのですが、先日は20年ほど前に連載を寄稿してくださった方のご子息から、「父の足取りを辿ってネット検索をしていたところ、貴誌に寄稿していたことを知ったのだが、何とか掲載誌を入手できないか?」というご連絡をいただきました。その方は長い間、英国在住で、お父様のお仕事面でのご活躍の様子をご存じなかったとのこと。私がお送りしたお父様の記事を読んで、ご自身のコンサルとしてのお仕事に通じるところがあるとお返事をいただいたのは、私にとってとても嬉しい出来事でした。

さて、“代表清算人”という役割ももうあと何時間かで終わりますが、私自身はすでにフリーランスとしての名刺を作成、既存の得意先からの受託業務や執筆活動を継続しております。今後は“ダイレクト/インタラクティブ・マーケティングのキュレーター”として、最新のトレンドを過去の事例と紐付けてその本質を見極めていくと同時に、私自身のテーマを生活者と企業のコミュニケーション(インタラクション)から広く社会における異文化コミュニケーションへと拡大し、執筆+αの活動を展開していく構えです。さらには私自身の経験を踏まえ、クロージング、すなわちステイクホルダーとの関係性をどうやって終わらせていくかについても、何らかの活動ができればと思っております。

(株)アイ・エム・プレスという会社は明日でなくなりますが、振り返ってみるに、私自身の人生のパーパスはエレキギターを携えてブルースを奏でていた学生時代から本質的には変わらないような気がしており、そういう意味では今回の会社のクロージングも、会社を経営していたこれまでの33年間、サラリーマン(パーソン)時代を加えれば40数年にわたり身に纏っていた仕事着を、今の自分に相応しい服に着替えるだけのような気がしています。

最後になりましたが、当社がこの33年間にお世話になった方々に心から御礼を申し上げると共に、これからは私個人が担っていくことになる「インタラクティブ・マーケティングまとめサイト」をどうかよろしくお願い申し上げます。