8月号の特集は「通販会社が街にやって来た!」

2011年7月28日

今週の月曜日、月刊『アイ・エム・プレス』8月号(Vol.183)が発行された。

本号の特集テーマは、「通販が街にやって来た!」。
通販から店舗・売り場展開に乗り出した
アスクル、オイシックス、DoCLASSE、Yahoo! JAPANの4社のケーススタディと、
通販評論家 村山らむねさんへのインタビュー、
「店舗とネットをつなぐ“スマホ”がショッピング・スタイルを変えていく」
そしておなじみの編集スタッフのブレストに基づく総論の3部構成だ。
弊誌で通販会社の店舗展開を特集したのは、
今を去る6年前の2005年11月号(Vol.114)の特集、
「通信販売企業のマルチチャネル戦略」以来のこと。
私自身はこれに先立つこと15年ほど前、
調査会社勤務を経てフリーライターとして活動していた時代に、
通販関係の業界紙に“通販と店舗のシナジー”についての
連載をしたことがあるので、もうかれこれ20年以上前から、
このテーマをチェックしていたことになる。
約20年前の連載は、当時から通販と店舗のマルチチャネル展開を図っていた
米国のウィリアムズソノマやシャーパーイメージなどをベンチマークに、
国内の通販専業企業の事例を交えて通販と店舗のシナジーに言及したもの。
当時は、「現物を確かめることができない」という通販の弱点をカバーするため、
あるいは、当時、まだマイナーなイメージだった、
通販会社の信頼性を高めるために出店に乗り出す企業が多かったと記憶している。
一方、約5年前の弊誌の特集は、お客さまに購入方法の選択肢を提供し、
いつでも、どこでも、どのようにでも購入できるような体制を築くという観点から、
通販会社によるマルチチャネル展開にフォーカスしたもの。
そして今回は、5年前と比べてネット通販が大きく進展、
ネットを主軸として通販展開を図る企業の中にも
店舗・売り場展開に乗り出す企業が増加していることを受けて特集に踏み切った。
約20年前、そして約5年前の企業環境と比較すると、
かつてはマイナーなイメージだった通販が、
誰もが利用するごく当たり前のショッピング形態になってきたこと、
そして、通販における主力媒体のひとつとして
ネットが躍進していることが大きな違い。
さらにこの数年の間で、ネットスーパーがブームになったり、
店舗小売業によるマルチチャネル展開が活発化するなど、
店舗小売業による通販展開も加速している。
こうした中、今回の特集を通して改めて痛感したのは、
今や、そもそも通販からスタートしたのか、店舗からスタートしたのか、
といった企業の出自はさして問題ではなくなってきているということ。
つまりは業態を超えての競合が激化しているわけで、
その分、商品・サービスはもちろん、購入方法の選択肢も含めた、
その企業が提供する“顧客にとっての価値”が、
よりシビアに問われるようになってきていると言えるだろう。
8月号の詳細は、こちらをご参照ください。