4月号の特集は紙DM

2008年4月2日

月刊『アイ・エム・プレス』4月号の特集は「紙DMの逆襲」。
インターネットの普及に伴い、一時期はeメールDM(eDM)に押されがちだったが、
最近ではeDMの効率低下が叫ばれる中で、紙DMが再活性化する傾向にある。
そこで本特集では、ネット全盛時代における紙DM成功のポイントを探った。
特集の構成は、総論、ケーススタディ、生活者アンケートの3部構成で、
ケーススタディとして採り上げたのは、以下の4社である。
・(有)あきゅらいず美養品
・(株)ジェーシービー
・ソフトバンクモバイル(株)
・(株)ベネッセコーポレーション
今回の特集の中で、私が注目していたことのひとつは、生活者アンケートの結果。
というのは、弊社では、個人情報保護法の全面施行後間もない2005年12月にも
DMについての質問を含む生活者調査を行っていたことから、
双方の調査結果を比較するのを楽しみにしていたのだ。
2005年調査と2008年調査に共通するのは、紙DMとeDMのそれぞれにかかわる
「個人情報を提供した覚えのない企業からDMが届いたときの対応」。
回答の選択肢の表現は微妙に異なるものの、各々の調査結果は下記の通りで、
開封率において紙DMがeDMを上回る傾向に変わりはないものの、
紙DM、eDMを問わず、総じて開封率が上昇傾向にあることがわかった。
これは個人情報保護法の全面施行から3年を経て、
生活者の過剰ともいえる反応が和らいできた
ことを示していると言えよう。
【個人情報を提供した覚えのない企業からDMが届いたときの対応】
■2005年調査でDMを「開封しないで捨てる」と回答した調査対象者
 紙DM=47.1%、eDM=72.3%
■2008年調査でDMを「見ないで処分する」と回答した調査対象者
 紙DM=13.8%、eDM=44.4%
今回調査では上記とは別途、個人情報を提供した覚えの有無にかかわらず、
一般的にDMを受け取ったときの対応を聞いているが、
この質問への回答は、下記の通りであった。
【(一般論として)DMが届いたときの対応】
■紙(封書)DMでは「ほとんど開封せずに処分する」が6.4%
■eDMでは「すぐに削除する」が20.4%
本調査結果から見る限り、紙DMにせよ、eDMにせよ、
受取人(生活者)にとって個人情報を提供した覚えのない企業からのDMは
一般的なDMに比べて、まったくの無駄打ちに終わる確率が
倍以上になる
ということができるだろう。
一方、一般的にDMを受け取ったときの対応に関する回答を
(処分される率とは逆の)開封率という観点から見ると、
紙(封書)DMでは、「ほとんど開封して目を通す」が18.8%、
「開封した上で興味がなければ処分する」が45.4%で、
これらを合計した64.2%が確実な開封率と見られるのに対し、
eDMでは、は「ほとんど開封して目を通す」が5.0%、
「開封・閲覧した上で興味がなければ削除する」が16.0%で、
これらを合計した21.0%が確実な開封率と見られる。
【DMの確実な開封率】
■紙DM=64.2%
■eDM=21.0%
つまり、この調査結果から見る限りは、
紙(封書)DMとeDMの開封率は前者が圧倒的に高く、
前者の開封率は後者の3倍以上
に達していることがわかる。
(最も、紙DMの製作コストは3倍どころではない)
なお、本質問項目では、開封する、処分するといった選択肢以外に、
紙(封書)DMでは「封筒を見て開封するか決める」、
eDMでは「メールの件名を見て開封するか決める」といった、
いわば“検討する”という主旨の選択肢を設けているが、
こうしたいわば中庸の回答を行ったのは、
紙(封書)DMで29.4%、eDMで57.6%となっており、
紙(封書)DMにおける封筒もさることながら、
eDMにおいて件名がいかに重要かを物語る結果
となっている。
というわけで、弊社のミーティングでもこの調査結果を鑑みて、
今後はメルマガやeDMの件名にもっと工夫を凝らそうと
改めて肝に銘じたのであった。
さて、このDMに関する生活者調査では、
このほか紙DMやeDMを受け取る通数、パーソナライズされたDMについて、
無宛名郵便物で送付されたDMについてなど、
DMにかかわるさまざまな調査結果を掲載している。
本調査結果が掲載された月刊『アイ・エム・プレス』4月号は、
こちらからお申込みください。