DMA大会の基調講演

2007年11月25日

昨日は、月刊『アイ・エム・プレス』12月25日発行号に掲載する
米国のダイレクトマーケティング協会「Direct Marketing Association」が
この10月に開催したDMA大会におけるグレコ会長の基調講演の原稿作成を行った。
基調講演のテーマは、「CHOICE AND INNOVATION」(選択と革新)。
原文は9ページに上る膨大なものだが、中でも印象に残ったのは、
米国では、アウトバウンド・テレマーケティングに対する規制に続いて、
DMに対する規制が強化される気運があるということ。
なんと2007年だけで15州に計18の法案が提出されたという。
これを受けてDMAでは、本格的な規制が開始されるのに先駆けて
複数の議員たちに情報提供することで理解を促進すると同時に、
「Mail Moves America」運動などさまざまな施策を通して
DM利用の適正化に向けての自主規制を呼びかけている。
また、同基調講演ではこのほか、
■「Green15:Benchmarking Environmental Progress」
用紙の仕入れ、使用、デザイン、リストの利用方法、印刷、包装、
リサイクル、公害抑制など15項目に上る環境に関する指針
■「Commitment To Consumer Choice」
DMの送付を希望しない顧客や見込客がこれまで以上にすぐに、
簡単にDMの送付を停止できるなど、消費者の選択を重視する取り組み
などが紹介されたが、これらはDMにも関連した内容となっており、
DMに対する規制がダイレクトマーケティングの今後を左右する
重大な問題として意識されていることが全体を通して痛感された。
ちなみに、ネットで調べたところによると、
DMの規制法案が提出されているのは、コロラド、コネティカット、
ハワイ、ニューヨーク、メリーランド、ミシガン、ミズーリ、モンタナ、
テキサス、ヴァーモント、ワシントンなどの各州。
その中心は、郵便メール拒否者の登録制度を設けるというものだが、
法案の内容は州により異なっている。
アウトバウンド・テレマーケティングの規制のときにも、
州により規制内容が異なることで、関連企業は煩雑な業務を強いられたが、
これらの法案がもし可決されれば、同様の事態が懸念されよう。
電話やeメール、DMなどのパーソナルメディアには、
個々のお客様に最適な情報が提供できるという優れた特性があるが、
これを無節操に利用すればお客様に迷惑をかけるのも事実。
私たちもこれを海の向こうの話と捉えるのではなく、
パーソナルメディアの適正利用を心がけることが重要だろう。
また、こうした規制は一部の不行き届きな企業の存在により、
全体に網がかけられるのが常である。
そういう意味では、私たち自身が1人の消費者として迷惑に感じたことを、
当該企業なり、業界団体や行政の窓口などに、
きちんと伝えていくことも大切だろう。