(株)アップガレージにトップインタビュー

2008年5月17日

今週は、中古カー用品のチェーン店、(株)アップガレージ
代表取締役の石田さんにトップインタビューを行った。
同社が取り扱っているのは、ユーザーが自動車やバイクを買った後に購入する
自動車用品・バイク用品など“アフターパーツ”と呼ばれる商品群。
1999年に設立して以来、今日では直営、FCを含めて全国に83店舗を展開、
グループでの売上高は、120億円にも達している。
月刊『アイ・エム・プレス』のトップインタビューのコーナーでは、
これまでにPCや着物の中古品を取り扱っている企業を取り上げたことがあるが、
こうした中古品のビジネスにおいては、販売のみならず仕入れ、
すなわち買い取りのノウハウも事業の成否を決める重要な要素となる。
特に一般個人から不要になった商品の仕入れを行う場合には、
全国に点在する売りたい商品の情報をいかにして集めるか、
個々に痛み具合の異なる商品をいかに適切に査定して商品化するかは、
参入各社の知恵の絞りどころとなっている。
アップガレージにおいても、仕入先の90%が一般個人というだけに、
買い取りの仕組みづくりは重要な課題。
そこで同社では、PC&モバイルサイト、電話での対応に注力、
インターネットや電話で概算を提示した上で最寄の店舗への来店を促し、
現物を確認した上で最終的な買い取り価格を決める仕組みを構築している。
一方の販売は、リアル店舗が中心だが、これとあわせてネット販売も展開。
最近ではネット販売が前年比150%の伸びを示しているという。
同社のネット販売は、買い取り仕入れを求められるリアル店舗に対して、
できるだけ多くの販売チャネルを提供するというリテイルサポートの一環。
したがって、店舗販売とネット販売ではすべての在庫を共有しており、
ネット販売分については、同社と店舗の間で所定のルールに基づき清算がなされる。
また、ネット販売のみならず、店舗間の卸売りの機会を設けるほか、
業務用のECサイトを開設するなど、多様な販売チャネルを用意することで、
リアル店舗における仕入れのリスクを軽減。
各店が安心してビジネスを展開できる環境づくりを推進している。
なお、中古品だけにすべての商品が一点ものであることから、
ネット販売は店舗のOKを経て初めて成約に至る仕組みだ。
こうした同社の中古品ビジネスを支えるインフラとも言えるのが、
設立から1年をかけて開発したという商品の単品管理システム。
単品ごとにユニーク番号を振り、マスターを設けることで、
古物商に求められるトレーサビリティを確保すると同時に、
中古品の買い取りから販売に至るプロセスの
効率的ななマネジメントを実現しているといえよう。
なお、同社の顧客層は、10代後半~30代の独身男性が主体で、
最近では徐々に顧客層が広がりつつあるとのこと。
同社ではこれらの顧客を対象に、Webサイトやメルマガはもちろん、
店舗ごとのブログやリアルイベントなどによるコミュニケーションを展開している。
仕入れから販売、そしてコミュニケーションのマルチチャネル展開で
成長を加速する注目企業といえるだろう。
アップガレージへのインタビューの詳細は、
月刊『アイ・エム・プレス』6月25日号をお楽しみに。