高級レストランのCRM

2007年12月27日

昨日は、フランス料理の「レストランひらまつ」で知られる㈱ひらまつ
平松社長にトップインタビューを行った。
月刊『アイ・エム・プレス』の本コーナーは、
この1月号ですでに97回目を数えているのだが、
外食産業のトップにインタビューを行うのは私の記憶では2回目。
しかも、フレンチのシェフ出身というだけに、
同社のホームページに掲載されていた平松社長の写真はとてもスタイリッシュ。
そこで、こちらも茶系のスーツに淡水真珠のネックレスに身を固め、
ちょっと緊張した面持ちで恵比寿のオフィスにお邪魔した。
さながらフレンチのレストランのようなシックな会議室で、
1982年の起業から今日に至るまでの同社の歩みをお伺いした上で、
同社のビジネスの現状や顧客層について質問。
そして本論ともいえる、お客様との関係作りへと話を進めていった。
高級レストランでCRMに本格的に取り組んでいるところは限られているだけに、
この12月にスタートしたばかりの「ひらまつプレステージクラブ」をはじめ、
興味深いお話はいくつもあったが、中でも印象に残ったのは以下の3点。
ひとつは、25年前から脈々と受け継がれているお客様のカルテ。
現在はCRMシステムを利用しているものの、当初は手書き方式でスタート。
そこにはお客様の氏名、勤務先、部署・役職、連絡先や、
店内での飲食にかかわる履歴はもちろん、
接客時に収集したさまざまな情報が盛り込まれていとのこと。
接客時に収集する情報とは、食事やワインの好みもさることながら、
昇進や子供の誕生などまざまな領域に渡っており、
そうして蓄積した情報が以降の来店時のもてなしはもちろん、
節目節目での来店促進にもつながっている。
いわば、一流ホテルのゲストヒストリーのようなあんばいだ。
2つ目は、こうした取り組みを実現する接客のあり方。
平松社長によると、接客とは「目の前にいる人を幸せにすること」。
そこで、まずはその時にそのお客様がどうすれば幸せな気分になれるのか、
相手の気持ちを察知することが必要ですね、と尋ねると、
「どれだけの引き出しを持っているかが大切」という答えが返ってきた。
平松社長によると、接客要員に求められる素質は、
その人が持っている人間としての優しさと、それを表現する能力であり、
あとは実践の積み重ねの中で、失敗をしながら学んでいくということだ。
どうです? なかなか良い話ですよね。
これを聞いたときには、思わず感動させられると同時に、
今、インタビューをしている私自身が、平松社長を幸せにできているのか?
と自問自答してしまった。
そして3つ目の話はインターネットカフェについて。
インターネットカフェを日本で最初に立ち上げたのは同社とのことなのだが、
その背景には、フランスのカフェが新聞を片手にコーヒーを飲み、
他の客と語り合う情報の受発信基地としての機能を担っていたことから、
これを現代に置き換えて、インターネットカフェを開発したのだという。
ちなみに同社はかつてのカフェブームの火付け役でもあったとか。
カフェにしても、インターネットカフェにしても、
現在の業態イメージは、平松社長が手がけられた当初とは大きく変容しているが、
イノベーターである平松社長の想いを知って、
学生時代のフランス語の教科書に載っていたカフェのイラストを思い起こし、
なるほどな~、と思わずうならせられた。
以上、私自身が印象に残った3つのポイントをご紹介した。
平松社長へのインタビューの詳細は、
月刊『アイ・エム・プレス』2月25日発行号に掲載される。