米国のWebユーザー調査

2005年12月5日

昨日、月刊「アイ・エム・プレス」新年号の参考までに、
米国のConsumer Reports WebWatchが最近発表した、
米国のWebユーザー1501人を対象とした調査結果を紐解いた。
興味深い調査なので、その一部をご紹介しよう。
同調査結果によると、Webユーザーは、情報収集チャネルとしても、
ショッピング・チャネルとしても、
以前に比べてインターネットを信頼しなくなっている。
そしてオンラインの恐怖と立ち向かうために、
オンライン・ショッピングに使うクレジットカードを
専用の1枚に絞り込むなどの具体的な工夫とあわせて、
Webサイトの利用を減らしつつあると言う。
■個人情報の盗難に関する恐怖により・・・
・5人のうち4人がWeb上の個人情報について何らかの危惧をしている
・86%が個人情報を守るためにオンラインでの行動を改めている
・53%がネット上で個人情報を提供することをやめた
・30%がWebの利用を減らした
■オンラインで買い物をする回答者のうち・・
・54%は購入前にサイトのプライバシーポリシーや同意事項を
これまで以上に読むようになった
・それらのオンラインショッパーの29%は、
オンラインでの買い物を減少させている
・8%はオンライン・ショッピングに使うクレジットカードを
専用の1枚に絞り込んでいる
■Webサイトの信頼性については・・・
・88%が個人情報を安全に保つことが重要である
・76%がサイト上の情報の出所がわかりやすいことが重要である
・73%がサイトの頻繁な更新が信頼の要素である
・46%がWebサイトのオーナーが誰かが重要である
と回答している。
■ニュースの情報源としての利用については・・・
・11%の成人がニュースのほとんどをWebサイトから収集している
・68%はお気に入りのニュースサイトで見たニュースの
ほとんどあるいは大半を信頼している
・69%は、ニュースコンテンツと広告が明確に区別されることが
重要であると考えている
・10人に3人が、他のサイトあるいはビジネスとの
Financial relationshipsを明らかにすることが重要だと回答している
※Financial Relationshipって資本関係でいいのかな?
英語が堪能な方、コメント欄でご指導いただけると幸いです。

■ブログについては・・・
27%が過去数ヶ月以内にブログを訪問しているが、
・ブログの情報が多くの場合正確であると回答したのは12%
・まったく、あるいは多くの場合正確ではないとの回答が21%
■サーチエンジンについては・・・
・44%がSEMが有料だと気付いている
・56%が検索ページのコンテンツに有料のものが
含まれていることに気付いていない
どうですか? ウカウカはしていられませんね。
インターネットが発展し、Webが日常的になればなるほど、
ユーザーによる取捨選択が生じるのは当然のこと。
そこでのキーワードが「信頼」であることは言うまでもない。
しかし、その「信頼」が何かということが大問題!
一言で「ブランド」と言ってしまえば簡単だが、
それでは「ブランドって何?」と質問が延々と続きそうだ。
ブログの登場により、今やインターネットは、
誰もが発信できるメディアになった。
だから、Webが信頼できるメディアであり続けるかどうかは、
私たちひとりひとりにかかっているのだと思う。
こうしてブログを書いている私が、
あるいは皆さんの会社のWebサイトが、
いかに信頼のよりどころになるかが重要なのだ。
また、ネット上の顔が見えない同士でのやりとりにおいては、
限られた情報で相手を一方的に規定することなく、
相手を慮った態度が大切だと思う。
そうでないと、せっかくのインターネットというメディアを、
私たち自身が食いつぶしてしまうに違いない。
そうはしたくない。