男と女

2005年12月28日

昨日、弊社の営業スタッフとある仕事の納品に向かう道すがら、
「らくらくホン」のポスターが目に入った。
最近、近距離用の眼鏡なしには校正が怪しくなって、
老眼の進行が気になっている私は、思わずそのポスターに引き込まれた。
テレビCMを見ているときには、そこに登場する俳優の年代もあり、
自分にはまだまだ遠い世界の商品と感じていたが、
商品だけが大きくあしらわれたポスターを見たら、
なんだか優しそうで、安心して使えそうな気がしたのだ。
PCにしても、ケイタイにしても、少なくとも私は、
備わっている機能の半分ぐらいしか使いこなしていないし、
そういう人は意外に多いのではないか。
だったら、ボタンが大きくて見やすく、かつ、
不要な機能が入っていないこの電話機は、
テレビCMに登場しているような高齢者層でなくても、
けっこうイケるのではないだろうか?
さらに、例えばヴィトン・バージョンとか、
エルメス・バージョンとか、おしゃれなタイプを発売したら、
私の少し上ぐらいの年代の女性に大ヒットするのではないかと、
私は頭の中でイメージを膨らませていった。
そこで、同行していた40歳・男性のスタッフに、
「らくらくホン、欲しいっ!」とつぶやいたところ、
彼自身もPCやケイタイの機能を使いこなしていないことを認めた上で、
それでも第三世代のケイタイが発売されれば欲しくなる。
男性は余程の高齢者でない限り、使わないのではないかと言うのだ。
もちろん、ヴィトンやエルメスの話にも、微動だにしない。
(最も、これらのブランド物は女性向け?
でも、そういう私は趣味じゃないので買わないないけど。)
数分の後、私とそのスタッフの議論は次の仮説に着地した。
世の男性が、ケイタイでもPCでもカメラでも、
とにかく新しいキカイを欲しがるのはいわば武器の代わりで、
かつて狩猟が役割だった頃のDNAが残っているのではないか。
とりあえず、曲りなりの結論にたどり着いた私は、
今度は男性が狩猟をしていた時代のことに思いを巡らせる。
今のお父さん達が女房に「うちのお父さんったら・・・」と、
とかくブツブツ文句を言われがちなように、
男性が狩猟をしていた時代にも、少しの獲物しか射止めない男性は、
女房にブツブツ文句を言われていたのだろうか?
この質問に対する彼の回答は、当時は一夫多妻制だっただろうから、
獲物をたくさん射止める男性には女房がたくさんいて、
世の中はフェアに保たれていたのではないか、というものだった。
じゃ、一妻多夫制というのは存在しないの? 
と次の疑問がフツフツと沸いてきたときには、
私たちは目的地に辿りつき、議論にはひとまずの終止符が打たれた。
その夜、弊誌がお世話になっているIさんとの食事の席で
この話を持ち出したところ、Iさんはそれは当たっているかもと、
夜這いのシステムについて話してくださった。
夜、トントンとドアをノックして男性が女性のもとを訪れると、
女性は気に入った男性のみ家の中に迎え入れる。
何人かの男性と交渉を重ねているうちに女性が妊娠する。
すると女性は、ここ2~3ヶ月間に関係をもった
複数の男性を目の前に並べて、お腹の子の父親=夫を指名する。
このとき、指名された男性には拒否権は与えられず、
そんなものを発動しようものなら、村八分にあってしまうのだという。
つまり、Iさんの言われる夜這いのシステムとは、
女性が男性を拒否できるのに対して、
男性は女性に選ばれた以上はその女性を拒否できないというもの。
夜這いそのものは日本独自の風習なのだろうが、
もしかしたら類似のシステムが地球上のあちこちにあって、
今なお存在する一夫多妻制の前提として、
女性側の選択の自由が保証されることで公平性が保たれているのか?
そして、獲物をたくさん射止めてくる男性は、
本人の意思とは無関係に多くの女性を妻に向かえているというのか?
もしそうだとしたら、男と女、どっちに生まれたかっただろうか?