今日はメガネ専門店の「アイ&アイ」にトップインタビューに行ってきた。
『サッポスの奇跡』でおなじみの、石塚しのぶさんのブログに
顧客サービスに優れた店として紹介されていたので、
かねてより一度、お訪ねしてみたいと思っていたのだ。
アイ&アイの本社は、都営新宿線の「瑞江」から徒歩1分のところにある。
現在の店舗数は、本社からほど近くにある本店のほか、
一之江店、船堀店、瑞江店、武蔵境店の計5店舗を数える。
同社代表取締役の松井さんは、同店経営以前はメガネレンズメーカーの
工場に勤務していたとのことだが、他人と言葉を交わすこともなく、
ただ黙々とレンズに向き合う日々に嫌気して、大手メガネ専門店に転職。
数年の勤務を経て、1986年1月、35歳の時に、
“日本一元気で明るい、親切なメガネ屋”を目指して独立した。
その後、メガネ業界のコンサルタントの指導を受けて以下の経営理念を制定。
「社員が優れていること。
メガネを通し、お客様の喜びを創造し、信頼感謝の気持ちを分かち合う。
メガネを通し、社員ひとりひとりの成長をはかり、
それを大切に喜びとして、豊かな人生を想像する。」
以降、試行錯誤を積み重ねながらも、その実践に取り組んでいる。
経営理念の冒頭の“社員が優れていること”という一節が
どこか唐突な気がしてその意味を尋ねてみると、
“お客様に今の私生活よりも快適な私生活を提案する”
本物のメガネ専門店であり続けるためには、
社員が“今の自分よりも元気で明るい、爽やかな人間”になることが
欠かせないとの答えが返ってきた。
ご存じの通り、メガネ業界では安売り競争が激化しているが、
これに巻き込まれることなく、本物のメガネ専門店であり続けるためには、
アフターサービスのみならず、売りの現場を含むすべてが
“お客様に今の私生活よりも快適な私生活を提案する”ことに向けられねばならず、
そのために最も大きなインパクトを持ちうるのが社員というわけ。
同社ではその経営理念をカタチにするために、
店の前面に(価格訴求品ではなく)最もオススメしたい商品を展示。
来店客に「いらっしゃいませ、こんにちは、今日はいかがいたしました」という
メガネのコンサルタントとしての自らの姿勢を打ち出した
ユニークな声掛けを徹底しているほか、
年に2回、外部講師を迎えての「おしゃれセミナー」を開催するなど、
さまざまな取り組みを実践している。
これを支えているのが、スタッフの教育やマネジメントの仕組み。
具体的には、月に1回、全スタッフのロールプレイイングを実践しているほか、
メガネやコンタクトの購入者には「愛の声」と名づけられたアンケートハガキを配布、
帰宅後に記入して投函してもらうことで、VOC(お客様の声)を収集すると同時に、
これをスタッフの評価にも繋げている。
インタビュー終了後、撮影を兼ねて本社近辺の2店舗を訪ねると、
スタッフが明るく、元気良く、私たちに声を掛けてくれた。
事前に取材が入ることをスタッフには内緒にしていたとのことなので、
それがいつもの、ありのままの姿なのだろう。
店内には、顧客がメガネを新調する時に、実際の生活シーンの中で
新しいメガネがどのような見え方をするのかを疑似体験できるよう、
リビングコーナーや書斎コーナー、階段、食品サンプルなどが置かれており、
明るく元気なスタッフの存在と相まって、確かに頼りになりそう。
私自身もそうなのだが、メガネにまつわる悩みを抱えておられる方は、
ぜひ一度、「アイ&アイ」を訪ねて見られてはいかがだろうか。
※本日のインタビューの詳細は、月刊『アイ・エム・プレス』12月号に掲載されます。
日本一元気で明るい、親切なメガネ屋さん
2010年10月16日