日本ダイレクトマーケティング学会

2008年6月22日

先週は飛び切り忙しい1週間だった。
中でも重たかったのは、通常業務に加えて、自分の講演が2回もあったこと。
さらに、以前にこのブログでもご紹介した、
月刊『アイ・エム・プレス』主催の“お客様との関係作りを語る会”「I.M.Live!」
ダイレクトマーケティングの勉強会「Direct Marketing Workshop」の司会・進行、
そして昨日は日本ダイレクトマーケティング学会の全国研究発表大会だった。
というわけで、ブログのネタには事欠かないのだが、
逆に言えば、何から手をつけたらいいのかわからない状態。
ひとまず、今日のところは忘れないうちに、
昨日の日本ダイレクトマーケティング学会の大会の感想を書いておこう。
同大会は今年で7回目になるが、今年の会場は文京区は本郷の東洋学園大学。
弊社のオフィスから徒歩3分ほどとあって、いつもお昼時にウロウロする、
私にとっては昔からなじみの深いエリアに立地している。
プログラムは、午前中が2会場に分かれての研究発表。
午後からは、早稲田大学ビジネススクール 教授 兼
ボストンコンサルティンググループ シニア・アドバイザー 
内田和成さんによる基調講演「異業種格闘技の時代」に続き、
ウィトンアクトン社 代表 兼 早稲田大学大学院客員教授であり、
月刊『アイ・エム・プレス』コメンテーターでもある
ルディー和子さんの司会によるパネルディスカッション
「真の顧客満足を提供できるビジネス・デザインとは?」が開催された。
私自身は、午前中の6つの研究発表等の中から、
①早稲田大学商学研究科博士後期課程の森さんによる
「競争力貢献するコールセンター活用
コールセンターサービス品質考察および提言」、
②(株)オプトの佐藤さんと海老根さんによる
「Cookieデータを活用した次世代ダイレクトマーケティング」、
③(株)電通の椎名さんによる「『ブランド×ダイレクト』統合の視点
事例のパターン分析を中心に」の3つを選択。
長くなるので、詳細な言及は省略するが、
改めて3つを並べてみると、森さんの発表がコールセンターの品質、
佐藤さんと海老根さんとの発表がインターネット・マーケティング、
椎名さんの発表がブランディングとダイレクトマーケティングの融合と、
企業環境の変化に伴い拡大するダイレクトマーケティングの方向性を
象徴するような内容だったことが印象的。
月刊『アイ・エム・プレス』的には、これら3つの方向性に
顧客の声を活用するVOCへの取り組みを加えたいところだが、
椎名さんの発表では、最後に顧客の声(購買理由、使用感)を
ブランドコミュニケーションメディアに活かすという切り口で、
そのひとつの方向性がしっかりと明示されていた。
午後からは基調講演「異業種格闘技の時代」を受講。
内田さんの言われる「異業種格闘技の時代」とは、
異なるビジネスモデルの企業が、異なるルールで、同じ市場を攻略する時代のこと。
まずは、「異業種格闘技の時代」に突入している市場の事例を
タイプごとに詳細に紹介した後、その背景として、
経済の成熟、情報革命、競争のグローバル化による企業環境の変化を提示。
そして、これからは業種やビジネスモデルの異なる企業間の競争に
打ち勝っていくことが必要であるとして、そのための方法論について、
①ビジネスをバリューチェーンとして捉える、②ビジネスモデルを考える、
③闘い方のパターンの3点から言及された。
弊社のビジネスも「異業種格闘技の時代」の最中にあることから、
内田さんのお話を弊社のケースに置き換えて考えてみたいと思ったが、
それができるのは夏休みか???
そして、今回の大会の最後のプログラムであるパネルディスカッション
「真の顧客満足を提供できるビジネス・デザインとは」では、
オイシックス(株) 代表取締役 高島宏平さん、
(株)新生銀行 マーケティング部長 福田桂子さん、
ハーレーダビッドソン ジャパン(株) 代表取締役 奥井俊史さん、
(株)ユニクロ 執行役員 平内 優さんという、
それぞれに業種の異なる4名がパネラーを担われた。
このうち高島さんと奥井さんは、月刊『アイ・エム・プレス』
トップインタビューをお願いしたこともある方々。
私にとっては、久しぶりにお二人にお目にかかれることも、
今回のパネルディスカッションの楽しみのひとつだった。
まず最初に、各パネラーが自己紹介を行った上で、
司会のルディーさんが「CRM戦略が成果に結びつかないのはなぜか」
「顧客の継続化を進める上で大切なことは」等の質問を投げかけるかたちで進行。
こちらも詳細な内容は紹介しきれないが、それぞれのパネラーからは、
ターゲットやコミュニケーションの適正化が重要(福田さん)、
トップ自らが顧客に触れ、顧客志向にコミットすることが重要(高島さん)、
マルチチャネルを効果的に使い分けることが重要(平田さん)、
作る人と売る人と使う人の三者間の絆作りが重要(奥井さん)など、
それぞれのビジネスの現場を踏まえた貴重な意見が披露された。
以上、昨日の日本ダイレクトマーケティング学会
全国研究発表大会の様子を私の手書きメモをもとに簡単に紹介した。
最後に、昨日の大会については、過日の「通勤電車」でも事前告知を行ったが、
それを見て実際に学会に入会し、昨日の大会に参加された
読者がいらっしゃったことは、私にとって望外の喜びであった。