月刊「アイ・エム・プレス」がこの1月から開始した連載に、
米国でダイナ・サーチというコンサルティング会社を経営されている
石塚しのぶさんによる「顧客を知る、顧客とつながる
顧客主導型市場における米国優良企業の挑戦」がある。
先日、4月号の原稿を読んでいたら、
名前が思い出せないのだが、ある米国の小売業における、
面白い取り組みが紹介されていた。
どういう取り組みかと言うと、その小売業では、
自店がターゲットとする顧客グループをいくつかに分け、
それぞれに名前を付けると同時に、その人物像を描き、
各グループに最適な接客法を考えているというのだ。
以前に、コールセンター業界に勤める友人と一杯飲りながら、
電話をかけてくるお客様をいくつかにタイプ分けし、
それぞれに最適な対応をマニュアル化したらどうか、
という話で盛り上がったことがあったが、
米国の店舗小売業では、これを実践しているところがあったのだ。
コールセンターに関しては、こんなユニークな話もあった。
動物占いが流行った頃のこと。膨大な調査結果に基づき、
人間の性格は生年月日や時間などによりある程度規定されると、
かなりの確信を持って主張される方がいらっしゃり、
これをバイオリズムと組み合わせることで、
生活者向けサイトに占いのようなコンテンツを提供されていた。
この方は、この考え方を適用することで、
CRMの効果が上がるのではないかとの仮説のもと、
あるコールセンターにこの話を持ち込み、テストを行ったのだ。
テストの内容は、この性格分析の考え方に基づき、
顧客と相性のいいコミュニケータが対応を担当するというもの。
この結果、多少の効果が認められたという。
そういえば、以前、インターネット上の接客でも、
類似の取り組みをしている日本の化粧品通販会社があった。
ずいぶん前の話なので詳しいことは忘れてしまったが、
顧客を何らかの基準で5グループぐらいに分け、
グループごとに接客担当となるパーソナリティを決めて、
それぞれのパーソナリティに応じたeメールを送信していたのだ。
例えば、「お局OLタイプ」の顧客ならば、
ハンサムな若い男性のパーソナリティである○○君が
インターネット上での接客対応を行うというといった具合だ。
ちなみに、石塚さんの原稿で紹介されていた小売業では、
データベース・マーケティングも行っており、
今後は、店頭接客における顧客グループの考え方と、
データベース・マーケティングにおけるターゲティングの考え方を
連携させていくようなことも書かれていた。
これが実現すれば、まさに顧客接点を超えた、
マルチチャネルでのCRMが実現することになるだろう。
手元に原稿がなく、あやふやな話で恐縮だが、
詳細は月刊「アイ・エム・プレス」の4月号をお楽しみに。
接客における顧客のタイプ分けってどうよ!
2006年3月4日