“守り”の投資、“攻め”の投資

2007年4月8日

金曜日は、月刊「アイ・エム・プレス」5月号の印刷入稿日だった。
今回は、入稿作業が深夜までかかり、かつ、
かつてないほどの後送ページが出るなど、悲惨な状態だった。
おかげで昨日の土曜日は久々にお昼近くまで眠ってしまった。
さて、月刊「アイ・エム・プレス」には、“ネット時代の顧客づくり”
にかかわる新商品・サービス情報を掲載する「TOPICS」コーナーがある。
これは関連各社から送られてくるリリースや、
スタッフが参加したセミナーのリポートなどを掲載するコーナー。
毎号、4~5ページを費やして10本程度の記事を展開しているのだが、
金曜日に5月号の校正をする中で、ひとつ気になったニュースがある。
それは、ガートナー ジャパンによる日米のIT投資動向に関する下記の調査結果。
同調査より、日米で「IT投資の効果・目的」が大きく異なることがわかったという。
≪調査概要≫
調査方法:アンケート
調査期間:日本:2006年11 月、北米:9月~11月
調査対象:中堅・中小規模を含むユーザー企業の情報システム責任者
日本:920人、北米:650人
「IT投資の効果・目的」における日米企業の相違は下記の通り。
■日本企業においては・・・
「業務プロセスの効率化」「業務コストの削減」「社員の生産性の向上」など、
“守り”の傾向が強い項目に多くの回答が寄せられる一方、
「新規顧客獲得」「新規ビジネス・製品の開発」「売り上げの増加」など、
“攻め”の傾向が強い項目への回答は1~2割と少なかった。
■北米企業においては・・・
“守り”の傾向が強い項目のうち「社員の生産性の向上」
「業務プロセスの効率化」には日本企業と同様に多くの回答が寄せらたが、
「新規ビジネス・製品の開発」「新規顧客獲得」など
“攻め”の傾向が強い項目に関しても比較的多くの回答が寄せられた。
また「顧客満足度の向上」の回答では、北米企業が日本企業を上回った。
両国の「IT投資の効果・目的」の違いを一言で言うと、
日本企業が“守り”を強く意識しているのに対し、
北米企業は“守り”のみならず“攻め”も意識しているということになるが、
この調査結果を見て私が思ったのは、日本企業のこうした傾向は、
もしかしたらサービスなど他の投資についても同様なのではないかということ。
投資対象が何にせよ、“攻め”の投資をするためには、
目的・目標を明確化し、その実現に向けてコミットメントすることが欠かせないが、
その責任を担えない、いや、担いたくないという向きが多すぎるように思う。
そういえば今日は都知事選だ。私ももう一度選挙公報を見直して、
忘れないように投票に行なくちゃ。(なんて言っているようでは情けない?)
※同調査の詳細は「IT投資動向報告書 2007年-日本と世界」 に掲載されている。