商品説明における動画の活用

2010年2月14日

週末には1週間分の日経MJに目を通すことにしている私だが、
先週、2月12日の日経MJに掲載されていた、
「オークローン、ドコモと通販販促 プッシュ型情報や動画配信」
という記事を読んで、ふと思い出したことがある。
この記事は、名古屋のテレビショッピング会社、
オークローンマーケティングが、資本業務提携するNTTドコモと共同で、
ドコモ携帯の情報提供サービス「iコンシェル」に特売情報を配信するほか、
「ドコモ動画」に娯楽性の高い動画コンテンツを配信。
顧客との接触頻度を高めることで、通販の売上増につなげるという内容。
私が目を留めたのは後者、すなわち動画活用のほうなのだが、
同紙によると、オークローンマーケティングでは2009年10月から、
「モバデモ」の名称で、特定商品購入客の携帯電話に
商品の使い方を教える映像を配信するサービスを始めているという。
顧客は商品同梱の説明書に記されたQRコードを読み込んで
動画を再生する仕組みで、現在はモップなど2商品で実験中とのこと。
記事を見て思い出したのは、同じくテレビショッピングの
ジャパネットたかたのWebサイトのことだ。
同社のWebサイト上の「カスタマーサービスセンター」では、
購入後のお客さまに向けた問い合わせ窓口の案内などと並んで、
商品ごとのよくある問い合わせ(FAQ)への回答
テキストと合わせて動画により解説されている。
同社に取材に行ったとき、この動画についてお伺いしたところ、
これはすべてコールセンターのスタッフが制作しているとのこと。
同社の顧客にはお年寄りも少なくないだけに、
パソコンやデジタル家電の購入に不安を持つ人々も多いはず。
コールセンターのスタッフは、こうしたお客さまの不安や疑問を熟知し、
まさに“ツボ”を押さえたコンテンツが作成できるのだろう。
以上、2社の動画活用事例をご紹介したが、
これら各社の取り組みは、製品の複雑化が取り沙汰される昨今、
“売りっぱなし”ではなく、商品を使って満足していただくという観点から、
大いに評価されるところと言えるだろう。
加えて、動画によるわかりやすい説明を行うことで、
複雑な製品の返品率が低下すれば、一石二鳥の効果が見込める。
前出の日経MJによると、オークローンマーケティングは今後、
トレーニング機器の購入者を対象に、
個々人に合わせたトレーニング・メニューを配信し、
機器の継続使用を支援することも検討しているという。
これが実現すれば、テレビショッピングでおなじみのトレーニング機器は、
ネット接続可能な歩数計や、「Wii」などのゲーム機と接近し、
サービス商材としての側面が強まってくるのだろう。