南アフリカお土産話④ 地域住民のリラグゼーションの場「Cape Garden」

2018年5月12日
前回、公開した南アフリカお土産話③では、「商業集積地に欠かせないPickn Pay とWoolworths」と題して、ケープタウンを中心としたスーパー事情を紹介しました。これに続く第4弾となる今回は、現地の友人達お気に入りのガーデニング専門店「Cape Garden」をご紹介しましょう。

私は今回の視察中、ヨハネスブルグとケープタウンの2都市で計4軒の個人宅を訪問させていただく機会があったのですが、アッパーミドル層を中心としたこれらのお宅では、室内にアフリカ大陸各地のアートや民芸品が飾られているかと思えば、庭にはベンチや動物の置物が置かれているなど、生活を楽しむための工夫が随所に施されていました。治安が悪いことで知られるこれらの都市においては、“自宅にいながらにしていかに楽しい時間を過ごすか”が、住民たちにとって重要な課題になっていると言えるでしょう。

こうした中、今回ご紹介する「Cape Garden」は、1996年にJoostenbergvlaketeに西ケープ最大のガーデニングセンターとしてオープン、今日ではStellenbosch、Somerest Westを加えた3店舗を展開するガーデニング専門店です。敷地内には各種ショップや飲食店も併設。グリーンに囲まれた店内は地域住民のリラグゼーションの場としても人気があり、ランチ時にはサンドイッチ持参で訪れる人々もいるそうです。

店内には、庭木、種苗、鉢植えなどのグリーンはもちろん、肥料やスコップなどの園芸用品、ベンチや犬小屋、置物などのエクステリアまでを広範囲に品揃え。ガーデニングに必要な商品をワンストップで揃えられるのはもちろん、インショップ形式で販売されているアートやインテリアも含めて、“自宅にいながらにしていかに楽しい時間を過ごすか”という前述の課題を解決する上での提案が店内随所でなされていると言えるでしょう。

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「Cape Garden」で感心したことは、こうした売り場や品揃えに支えられた提案力にとどまりません。店頭に「使わなくなったプラスチック製の植木鉢やバッグはお返しください。私たちがリサイクルいたします」というPOP(写真左下)を掲げると同時に、駐車場付近にプラスチック製品の回収コーナー(写真右下)を設けて環境問題への取り組みを推進しているかと思えば、従業員の教育にも力を入れているようでした。

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従業員教育への注力度合いは、テキパキと働く彼らの様子もさることながら、売り場の随所に個々の従業員の“宣言”のようなものが名前や写真とともに掲げられていることからもうかがえます。たとえばNELSONが「私は(朝の)5時から働きます」と宣言しているかと思えば、MLOLOは「いつも笑顔を絶やしません」と宣言しているといった具合。ほかにも自分が担当する商品分野を明確にしたり、商品知識の豊富さを宣言したりしている従業員も見受けられました。

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今回は担当者に直接、お話をお伺いしたわけではありませんが、個々の従業員によるこうした宣言の背景には「Cape Garden」自体のミッションが横たわっているように感じられました。換言すれば、自分の名前や写真を明示した上でミッションへのコミットメントを宣言することは、従業員のモチベーションを高めるとともに、実際の業務品質の向上にも大きく寄与しているのではないでしょうか。