私が実際に足を運んだスーパーは、Pick n PayとWoolworthsなのですが、各社はケープタウン周辺の多くの商業集積地に出店しており、ショッピングセンターなどではこれらが揃って出店していることが多いとのことでした。私が訪れた数店舗の品揃えはいずれも食品&家庭雑貨が主体でしたが、Pick n Payが洗剤など家庭雑貨の品揃えに優れていれば、Woolworthsは地産地消やオーガニックをキーワードに食品の品揃えを強化しているといった特徴があり、買い物客はその時々の目的に応じ、双方を使い分けているようでした。
Pick n Payの店舗外観Pick n Pay店頭における洗剤の品揃え。小型店でも、洗剤の品揃えは豊富。洗剤容器のカラフルな色使いは、識字率の低い同国において、文字の読めない買い物客でも“いつもの商品”が識別できるように配慮した結果だWoolworthsの店舗外観Woolworthsの“地産地消”を旗印にした野菜売り場。店内は米国のWHOLE FOODSを彷彿とさせるようなおしゃれな雰囲気だった
マーケティング・コミュニケーションに目を向けると、Pick n Payでは折しもインストア・プロモーション「South African Super Animals」を展開していました。これは購入金額R 150ごとに4枚配布されるスーパー・アニマル・カードをカテゴリーごとにコレクションすることで、報償がプレゼントされるという仕組み。カードをスキャンしてコレクションできる専用のスマホアプリを用意する傍らで、カードの収納ボックスや絵本状のアルバムを店頭販売するなど、スマホを持っていなくても楽しめるような工夫が施されていました。
「South African Super Animals」の装飾が施されたPick n Pay店内レジ前では、絵本のようなアルバムや、カードの収納ボックスといったプロモーション関連グッズが販売されていた
一方、Woolworthsでは、「WREWARDS CARD」をベースとしたロイヤルティ・プログラムを展開、会員を対象に、eメールなどによる優先的な情報提供のほか、専用シールが貼られた商品の10%割引、自社カード利用金額の5%割引といった金額面での特典を展開していました。会員はVALUED、LOYAL、VIPの3ランクに分かれており、年間購入金額や、同店が注力しているエコ商品の購入実績などにより上位ランクに昇格、特典が上乗せされる仕組みになっています。