個人情報保護の舞台裏

2005年4月14日

昨日、損害保険の代理店が、火災保険の契約更新にやってきた。
ご存じのとおり、更新は年1回なので、その代理店のNさんとは、
事故がない限り、年に1回しか会わない。だから、そのときは、
30分か小1時間ぐらい世間話をするのが習慣になっている。
1年前の更新時には、確か規制緩和の話で盛り上がったと思うが、
今回は時節柄、個人情報保護の話になった。
Nさんによると、個人情報保護法の全面施行に伴い、
損保の代理店は、何かと忙しくなったという。
どういうことかと詳しく話を聞いてみると、
保険の申込書がすべて個人情報保護法対応のものになったので、
せっかく購入した申込書の在庫を全部捨てなければならなかったとか、
個人情報の厳重な取り扱いが求められるようになったが、
社内にある多くの書類に個人情報が記されていることから、
なかなかどうして手間と時間がかかるということだった。
中でも印象に残ったのは、シュレッダーの購入について。
保険会社本体からシュレッダーを購入するように言われ、
「しょうがないな・・・」と思っていたところ、
保険会社の関連会社からシュレッダーの案内が届き、
「なんだ、これで商売するのか!」と驚いたという。
Nさんは案内に載っていたいくつかの種類の中から、
2万円の安いタイプを選んだようだが、それが曲者で、
15分間しか連続使用ができず、しかも15分使ったら、
15分間機械を休ませねばならないのだという。
もちろん、そのことは案内に書いてあったのだろうが、
しこうしてNさんは、会社にいるときは、
個人情報が記されている書類を、15分おきに、
延々とシュレッダーにかけ続けないとならないのだという。
個人情報保護法への対応には、各社苦心していると思うが、
その舞台裏には、こんな地道な努力もあるのだ。