不思議な店

2005年3月17日

私が住むマンションの隣に、不思議な店がある。
どこが不思議って、確か昨年の11月頃にオープンしたときには
中南米、地中海とかを織り交ぜた無国籍料理屋風だったのが、
2ヵ月足らずで店を休んで改装していると思ったら、
今度は肴が550円均一の和食屋として再オープンしたのだ。
70席以上もある大きな店で、無国籍料理屋時代には、
そのメニューにちなんで、世界各国の民俗音楽のライブが
入っていたにもかかわらず・・・である。
なぜオープンしてたった2ヶ月で改装したのか、
なぜ無国籍料理屋から和食屋にコンセプトを変更したのか、
しかも、最初に無国籍料理屋として開店した当初も、
そしてその2ヵ月後に和食屋としてリニューアル・オープンしたときも、
なぜか「シェフ募集」とか「板前募集」とかの張り紙が、
開店ギリギリまで店の前に貼られているのも不気味だった。
近所の飲み屋に聞いても、皆がいぶかしがっていた。
とは言え、私の住んでいるマンションの隣だし、
前々から、一度、行ってみようと思っていたのだが、
無国籍料理屋時代には、エプロン姿のマリリン・モンローのような
マネキンが入り口で色目を使っていて、
女性が一人で入るにはかなり抵抗があったし、
かと言って、友達を連れて行きたいと思える店でもなかった。
和食屋になってからは、さすがにマリリン・モンローは消えたが、
その中途半端な改装振りが、なおのこと私の足を遠のかせていた。
でも、昨日、隣は隣なんだから・・・と、ついに会社帰りに寄ってみた。
12時近かったこともあり、店の中はガラガラで、
唯一の客であるカップルが、なにやらいちゃいちゃしている。
これは二度と来ないだろうな・・・と思いつつも、
とにもかくにも食事をしようと、
モツ煮とツブ貝の串焼きと魚の蒸籠蒸しをオーダー。
店内を見渡すと、やはり無国籍料理屋を和食屋に改装しただけに、
そもそもはエスニック風だったであろう柱に、
無理やり和風の装飾を施してあったり、とにかく無理がある。
勇気を出して、料理を運んできた店員に、
コンセプトを変更した理由を尋ねてみたところ、
「やはり、無国籍料理ではお客さんにわかりにくいと思って」とのこと。
まあ、無国籍料理では客が入らなかったということなのだろうが、
和食に転換済みのその日も、客はカップルと私の3人。
客と同じ数の店員にももちろん覇気は感じられず、
なんだか気の毒な気分になった。大丈夫か?
料理はたいして美味しくはなかったが、値段は確かに安い。
料理3品と中ジョッキで、2000円ぐらいのものだった。
以前、このブログに「焼き鳥屋は焼き鳥屋」という話を書いたが、
やっぱり、突然、寿司屋が焼き鳥屋になったり、
無国籍料理屋が和食屋になってはいけないということを痛感した。