昨日は、ダイレクトマーケティング学会の
データベースマーケティング研究部会に行ってきた。
テーマは、ワンセグサービスについて。
講演者は、㈱テレビ朝日 デジタルコンテンツセンター
プランニング・プロデューサーの西さん。
ワンセグサービスはご存じの通り4月に開始されたばかりだが、
これまでのデータを見る限り、
固定テレビとは異なる利用傾向があるとのこと。
その特徴は、スポーツ中継などライブが多い、
視聴時間が短い、「ながら視聴」がないなどで、
特に昼間は利用シーンが異なる傾向にあるという。
また、画面下部のデータ放送は、
ニュースや気象情報などの基本データ放送と、
番組連動データ放送から構成されているが、
これまでのところ後者の利用が多いという。
また西さんは、地上波デジタルと双方向性のあるデータ放送を
組み合わせたワンセグサービスにおいては、
従来のマスマーケティングやターゲット・マーケティングと
異なる新たな考え方ができるとして、下記を提唱された。
■テレビは「無意識を意識させる」ことを得意としており、
ネットやモバイルは「意識を行動に変える」ことが得意である。
双方のメディアを組み合わせたワンセグサービスにおいては、
「無意識を意識させる」ことと「意識を行動に変える」ことを直結し、
一連のプロセスとして提供することができる。
■マスメディアとインターネットを比較すると、
前者は同報性、後者は利用者への個別性と逆の特性を持つ。
これに伴い、利用者の期待もそれぞれに異なっている。
双方の特性を併せ持つワンセグサービスには、
こうした観点からも新たな展開が期待できる。
ビジネスモデルとしては、広告モデル(CM枠販売など)、
派生コンテンツモデル(オンラインコンテンツ)、
番組事業モデル(テレビショッピングなど)の3つが考えられ、
目下、KDDIとの共同事業検証を行っているところとのこと。
昨日はこのほかにもワンセグについての様々なお話を伺ったが、
西さんのおかげで、これまでイマイチ実感をもって捉えられなかった
ワンセグサービスが、私の中で少しずつ輪郭を伴ってきた。
利用者にとってのワンセグサービスのメリットは、
自分専用のケータイによりどこでもテレビが見られるようになり、
かつ番組への投稿や関連するWebサイトの閲覧、
あるいは番組やCMで紹介された商品の注文や資料請求が
同じ端末を用いて簡単にできるということ。
テレビ局の立場から言えば、視聴者との接点が拡充することで、
番組の視聴時間が伸び、かつ視聴者との双方向性を活用して、
付加価値の高い番組作りはもちろん、新たな広告モデルや
新規事業の開発につながるということだろう。
番組やCMにどんなユニークなアイディアが登場するのか、
今後の展開が楽しみである。
ワンセグのセミナー
2006年4月29日