マーケティング装置としてのSNS

2009年3月7日

今週は月刊『アイ・エム・プレス』3月25日発行号の入稿週だった。
2月は日にちがないとあって、編集作業が遅れ気味だったので、
社内の会議などはあったものの、ほとんど外出を控えて、
編集スタッフの原稿チェックに当たっていた。
昨晩、なんとかデータを整えて入稿作業を終えたものの、
バタバタだっただけにちょっと心配。
来週の校正は目を皿のようにして見なければ・・・。
月刊『アイ・エム・プレス』3月25日発行号の特集テーマは、
「マーケティング装置としてのSNS」。
テーマ特化型SNSを運営している以下の4社のケーススタディに加え、
SNSの利用状況に関する生活者アンケート調査、
編集スタッフによる総論の3つのチャプターから構成される。
■「ジョグノート」:(株)ウイングスタイルが運営するスポーツのSNS
■「フォト蔵」:ウノウ(株)が運営する写真のSNS
■「フォートラベル」:フォートラベル(株)が運営する旅行のSNS
■「みんなの株式」:(株)マスチューンが運営する投資のSNS
今回の特集は、弊誌の153号の歩みの中ではかなり特殊な存在。
というのは、ケーススタディとして採り上げた上記の4社は、
いずれも広告モデルでサイトを運営しているからだ。
弊誌のテーマである“インターネット時代の顧客づくり”を
自社の顧客のために実施する企業をクライアント企業、
ITやアウトソーシングでこれをサポートする企業を支援企業と呼ぶとすると、
従来、弊誌のケーススタディではクライアント企業を採り上げてきたのだが、
今回のケーススタディでは、支援企業を採り上げていることになる。
このように支援企業を採り上げたのは、2005年12月号で、
「CRMで培った経営資源を活かす」という特集をして以来かと思うが、
このときにはJCB、日本航空、ベルーナ、ムトウなどクライアント側の企業が
CRMを推進する中で開発した顧客情報、IT、通販のフルフィルメントシステムなどを
外部企業に向けて販売しようという動きを捉えたので、
言ってみればクライアント側の企業の中の支援事業部門を取材したかたち
(クレジットカード会社は会員と加盟店をつなぐビジネスという意味で、
クライアント側と支援企業側の両方の要素を兼ね備えたビジネスモデルだが)。
そういう意味では、本格的に支援企業をケーススタディに採り上げた特集は、
1995年11月に創刊して以来、初の試みかもしれない。
というわけで、今回の特集をかたちにするに当たっては、
編集スタッフの間でいろいろと議論があった。
反対派の意見は、読者の関心はあくまでもクライアント企業の
動向にあるのではないかとか、
創刊以来、ずーっとその路線でやってきたではないかといったもの。
一方の賛成派の意見は、ネットビジネスが普及する中で、
広告モデルで生業を立てる企業が増加しているが、
弊誌の特集のケーススタディではそうした企業は採り上げないのかとか、
ネットの影響もあって、そもそもクライアント側の企業と
支援側の企業がボーダレスになってきているといったもの。
結果、賛成派が押し切り、今回の特集が実現したわけだが、
実際に取材やアンケートを行って材料が集まったところで、
総論をどう構成するかのブレーンストーミングの段階になると、
今度は総論の切り口が改めて議論になった。
恐らくは、SNSが総合路線の大手と専門路線の中堅に二極分化してきたとか、
テーマ特化型SNSの最近のトレンドはといった、
ジャーナリスティックな切り口もあり得たとは思うのだが、
そこはやはり創刊以来の読者=マーケター視点を優先。
前述の通り「マーケティング装置としてのSNS」を特集テーマに据えると同時に、
マーケティングの道具立てとしてSNSを活用するに当たっての、
留意点や課題に言及することにした。
インターネットは、これまでの企業から顧客への情報流に加えて、
顧客から企業へという情報流を活性化し、
企業と顧客の関係を変化させるのみならず、
クライアント企業と支援企業の関係も変化させつつある。
そうした中、情報というかたちのない商品を取り扱う立場として、
自らのスタンスをどこに置くべきかは年々、複雑さを増してくる気がする。
いつもとはちょっと異なる今回の特集に、
読者の皆さんはどのような感想を持たれるだろうか。