先週も忙しい1週間だった。
2月はただでさえ日にちがないことに加えて、
月刊『アイ・エム・プレス』4月号(3月25日発行)、
そして3月末発行予定の『CRM年鑑 2009』の締め切りが近づいてきたためだ。
そんな中、月曜日には 月刊『アイ・エム・プレス』としては久々に、
法政大学経営大学院教授で、弊誌のコメンテーターでもある、
嶋口充輝先生にインタビューを行った。
先日、同じく弊誌のコメンテーターである明治大学大学院
グローバルビジネス研究科の上原征彦先生へのインタビューを掲載したが、
これと同様に、“100年に一度”といわれる昨今の世界同時不況を
乗り切るためのヒントをお伺いするのが主旨だった。
嶋口先生のお話は、危機には「機会」と「脅威」という
2つの捉え方があるというところから始まった。
そもそもこの2年ほどの景気の低迷は、
古くからのビジネスモデルの運用が難しくなってきたことを意味しており、
企業が利益を生み出すためには、改善ではなく改革、
すなわち構造そのものを変革することが求められているとのこと。
こうした中で企業が生き残っていく上で重要な要素として、
以下の4点を挙げられた。
①10年・20年先を見据えたアンビションを持つ
②ビジネスモデル、すなわち仕組を革新する
③お客様を見据え、市場に生かされる
④既存分野のみならず、新規分野を開拓する
②については、これまでは商品力で未来を切り開いてきたものの、
これからは商品力のみでは競争に打ち勝っていけないとして、
仕組を革新することの重要性に言及。顧客はモノとしての商品ではなく、
仕組みを購入しているという視点を強調された。
これは以前にこのブログでも紹介した、
サービス・ドミナント・ロジックともつながるところだ。
また、③については、これまではそれぞれの部門が勝手に
“お客様第一主義”などを標榜していたが、
これからは研究開発部門や総務部門、経理部門など、
これまではともすればお客様第一主義とは無縁であった部門を巻き込み、
組織能力としてこれを実践していくことが重要であるとのこと。
最後に、④については、最も可能性のある分野として、
Green Economyにかかわるビジネスを挙げられた。
ちなみに、②の仕組づくりはマーケティングの骨作り、
③の組織能力はマーケティングの筋肉に例えられるとか。
弊社のような出版社は締め切りに追われ、最後は体力勝負となるだけに、
はっきり言って、自分の身体の骨や筋肉を鍛えることも大切だが、
マーケティングにおける骨と筋肉をパワーアップすることも忘れてはならない。
この週末、スタッフが書いた原稿の校閲に追われながらも、
後者により解決する問題も、多々あるはずと改めて痛感させられた。
なお、嶋口先生のインタビューの詳細は、
3月25日に発行される月刊『アイ・エム・プレス』4月号に掲載される。
お楽しみに!!
マーケティングの骨と筋肉を鍛える
2009年3月1日