デザインとは秩序を作ること

2006年11月15日

先週の金曜日。明治大学ビジネススクール グローバル・ビジネス研究科の
主催によるシンポジウム「ブランド・マーケティングの新潮流」に行って来た。
第一部では、アメリカン・エキスプレスとトヨタ自動車のブランド・
マーケティングの事例が発表され、これに続く第二部では慶應義塾大学大学院
経営管理研究科教授であり、月刊「アイ・エム・プレス」のコメンテーターでもある嶋口光輝先生、神戸大学大学院経営学研究科教授の石井淳蔵先生、
そして本シンポジウムを主催する明治大学ビジネススクールの教授であり、
同じく月刊「アイ・エム・プレス」のコメンテーターでもある上原征彦先生の
「ブランド・マーケティングの新方向」と題したディスカッションが開催された。
中でも私の印象に残ったのは、トヨタ自動車㈱デザイン本部デザイン開発室長の
長屋明浩さんの「ブランドを支えるデザインマネジメント」と題したご講演。
商品デザインに関するセミナーを受講したのは初めてなのだが、
単なる部品の共通化に止まらず、各ブランドのコンセプトに基づき
見事なまでに体系化された「デザインマネジメント」が存在することを知り、
「さすがトヨタだな~」と頭が下がる思いがした。
講師曰く「ブランドの想いをスペックや具体的なものに
ブレークダウンしないと、商品としてのブランド実践はできない」。
「デザインとは秩序を作ることを意味し、意匠屋さんではない」とのこと。
また、これを実践する上では、例えば(クルマが)スピードがあり、
かつ静かな走りといったともすると対立する要素を同時実現するに当たり、
「妥協」するのではなく、双方を「調和」させることが重要であり、
それこそがトヨタであり日本でもあるとのお話も心に響いた。